8月31日、2019年F1第13戦ベルギーGPに行われた予選でフェラーリのシャルル・ルクレールがポールポジションを獲得した。レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは5番手、アレクサンダー・アルボンは14番手となっている。
土曜日の予選では、気温がどんどん上昇して29度、路面温度も41度とこの時期のスパ・フランコルシャンとしては珍しい暑さとなった。
午前中のフリー走行3回目でクラッシュしたルイス・ハミルトン(メルセデス)はモノコックはそのままにフロントサスペンションやノーズなどを交換して修復し予選に間に合わせた。
予選Q1では路面の改善を待って多くのマシンがすぐにはコースインせず、ウイリアムズ勢、アルファロメオ勢からアタックを開始していく。ジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)はダッシュボードの表示に異常があり一度ピットに戻って修復する。
4分が経過したところで各車が続々とコースインしてアタックを開始。しかしその1分後、アタック中のロバート・クビサのエンジンが激しくブローアップし大きく白煙を上げてブランシモンでストップし、Q1は12分59秒を残して赤旗が提示された。メルセデスAMG製パワーユニット(PU/エンジン)にとっては金曜のセルジオ・ペレス(レーシングポイント)に続き新スペックICEのトラブルとなった。
3時15分にセッション再開。まだタイムを記録しているドライバーはおらず、1周に2分近い時間が掛かることもあって、セッション再開の1分前から各車がピット出口に並んでアタックに出ていった。フェラーリ勢だけがやや間隔を置いてコースインする。
セッション中断中にFIA技術委員がガレージに来てノーズをチェックする場面があり不穏な空気が漂ったルクレールだが、ここで僚友セバスチャン・ベッテルに0.522秒差を付けて1分43秒587でトップに立つ。ハミルトンは無難に1.673秒差の4番手につけた。
一方、アタックラップのセクター3に入ったところでマックス・フェルスタッペンが「トラブル、トラブルだ!」とスローダウンし、ノータイムのままピットに戻る。
レッドブルはすぐに対策を施して再びフェルスタッペンをコースに送り出し、1.035秒差の3番手タイムを記録してQ1突破を決めた。それとほぼ同時にターン2手前でアントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)のエンジンから白煙が上がってストップし、またしても赤旗でセッションはそのまま終了。
これで残り3分でコースインしていた各車はアタックが出来ず、ピエール・ガスリーは16番手、ダニール・クビアトは18番手とトロロッソ・ホンダの2台はQ1敗退。カルロス・サインツJr.(マクラーレン)が17番手、ジョージ・ラッセルが19番手、クビサはノータイムでQ1敗退となった。
度重なる赤旗の影響で予選Q2は3時37分開始。ここでも各車はソフトタイヤを履いてアタックに入っていく。
1回目のランでトップタイムを刻んだのは、またしてもルクレールで1分43秒376。これにベッテル、ハミルトン、ボッタスと続いて5番手には0.756秒差のフェルスタッペンがつけた。そして0.008秒差でキミ・ライコネン(アルファロメオ)が6番手に続く。アルボンは走行しているマシンの中で最後尾の14番手となり、PU交換ですでにグリッド降格が確定しているため、これ以上の予選アタックを見合わせている。
中団勢は2回目のアタックで次々とタイムを更新していき、ダニエル・リカルド(ルノー)が5番手、ライコネンが7番手につける。しかしハース勢とランド・ノリス(マクラーレン)はタイムが充分に伸ばせず、11番手ロマン・グロージャン(ハース)、12番手ノリス、13番手ランス・ストロール(レーシングポイント)、14番手アルボン、15番手ジョビナッツィがQ2敗退となった。
予選Q3は午後4時にスタート。スリップストリームを気にするあまりアタックを前にしたセクター3でのトラフィックが酷く、ハミルトンはアタック中のマシンにラインを譲るために前走車ボッタスに追突しそうになるほどだった。そのボッタスも前のニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)に追突しかけるなど、両者ともにフロントタイヤをロックさせてしまった。タイヤの熱を失ってしまい、馬鹿げているとハミルトンは訴える。
そんな中でトップタイムはここでもルクレールで1分42秒644。ベッテルはターン1でリヤが流れて大きくカウンターを当ててしまい3番手タイムに留まり、ハミルトンが0.638秒差で2番手に入った。
残り2分半で各車が最後のアタックへ。ルクレールは「スリップストリームで得られるものはほとんどないから要らない」と語りメルセデスAMGの前に出る。
ルクレールはその言葉通りスリップストリームなしでもさらにタイムを縮めて1分42秒519でポールポジションを獲得。2番手ベッテルに0.748秒もの差をつけた。3番手ハミルトンは0.763秒差と僅差で2番手を逃した。4番手ボッタス、5番手フェルスタッペンは1.171秒差、その後方の中団グループトップには6番手リカルド、7番手ヒュルケンベルグとルノー勢が続き、フリー走行で好調だったライコネンは8番手、ペレスが9番手、そして10番手にケビン・マグヌッセン(ハース)という予選結果となった。