トップへ

「週末映画館でこれ観よう!」今週の編集部オススメ映画は『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』

2019年08月30日 18:51  リアルサウンド

リアルサウンド

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』

 リアルサウンド映画部の編集スタッフが週替りでお届けする「週末映画館でこれ観よう!」。毎週末にオススメ映画・特集上映をご紹介。今週は、2年前に行ったハリウッドにもう一度行きたい宮川が『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』をプッシュします。


参考:8月9日=シャロン・テート殺人事件から50年 タランティーノ最新作のカギとなる衝撃の事件を解説


 「クエンティン・タランティーノ監督が“シャロン・テート殺人事件”を題材にした作品を撮るらしい」。最初にその情報を知った時、ものすごく心が躍ったのを覚えている。レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットが初共演を果たす、シャロン・テートをマーゴット・ロビーが演じる、ロマン・ポランスキーやスティーヴ・マックイーン、さらにはブルース・リーまでが物語の中で実名で登場する、もしかしたらタランティーノの最後の監督作になるかもしれない……。作品にまつわる噂や新しい情報が出るたびに、期待値は高まる一方だった。


 『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』のメインストーリーはあくまでフィクションだ。それが、レオナルド・ディカプリオが演じるピークをすぎたTV俳優のリック・ダルトンと、ブラッド・ピットが演じる彼のスタントマンで友人でもあるクリフ・ブースの物語。序盤では、彼らの仕事だったり生活だったり、はたまた2人の友情だったりという日常が、1969年というハリウッド激動の時代設定に沿って描かれていく。そしてそんな1969年に生きる彼らが、“ある事件”に巻き込まれていく。それが、本作のもう一つの軸となるシャロン・テート殺人事件である。


 「ラスト13分。映画史を変えるのは、この2人」という触れ込みなだけに、この作品が最終的にどのような結末を迎えるかは、もちろん映画館のスクリーンで確認していただきたい。ただ一つ言えるのは、事前に「シャロン・テート殺人事件」を知っておく必要があるということだ。


 筆者はすでに2度この作品を観ているが、「シャロン・テート殺人事件」の詳細をほとんど知らずに観た1回目の鑑賞では、正直そのラストの意味がそこまで深く理解できなかった。そして「シャロン・テート殺人事件」の詳細や周辺情報を頭に入れて挑んだ2回目の鑑賞では、1回目の鑑賞とは全く異なる印象を受けた。まるで違う映画を観たかのように。


 リアルサウンド映画部では、そんな事前の予備知識としてぴったりのテキストを掲載しているので、宇野維正氏による「シャロン・テート殺人事件」の解説記事(参考:8月9日=シャロン・テート殺人事件から50年 タランティーノ最新作のカギとなる衝撃の事件を解説)を読んでからの鑑賞をオススメしたい。


 ちなみに、レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピット、マーゴット・ロビーの3人のインパクトが強すぎてあまり話題になっていないような気もするが、端役のキャストたちにも注目だ。マイケル・マドセン、カート・ラッセル、ブルース・ダーンらタランティーノ作品常連俳優はもちろん、アル・パチーノやダコタ・ファニングも短い出演シーンながら強烈な印象を残している。中でも『ナイスガイズ!』で失踪した少女を好演していたマーガレット・クアリー、人気シリーズ『ストレンジャー・シングス』にシーズン3から登場したマヤ・ホーク(イーサン・ホーク&ユマ・サーマンの娘)ら、マンソン・ファミリーのメンバーを演じた女優陣がとにかく素晴らしかった。(リアルサウンド編集部)