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本国ケニアでは上映禁止になった話題作 『ラフィキ:ふたりの夢』11月公開決定

2019年08月30日 11:01  リアルサウンド

リアルサウンド

『ラフィキ:ふたりの夢』(c)Big World Cinema.

 第71回カンヌ国際映画祭ある視点部門に出品された映画『ラフィキ:ふたりの夢』が11月に公開されることが決定し、ティザービジュアルが公開された。


参考:奇跡のキャスティングと映像美が紡ぐ 唯一無二の身体の物語『Girl/ガール』の繊細な表現


 本作は、カンヌをはじめ100以上もの映画祭に出品された話題作。いまだ同性愛が違法とされるケニアでは上映禁止となり、のちに1週間だけ限定公開された時は、「長蛇の列」というニュースが飛び交った。


 看護師になるのが目標のケナは、古いしきたりにとらわれた周囲の人たちに満たされない想いを抱えていた。両親は離婚し、ナイロビで母と暮らしていたが、国会議員に立候補した父のことは応援している。そんな時、父の対立候補の娘で自由奔放なジキと出会う。互いに強く惹かれたふたりは、「私たちは本物になろう」と誓い合う。だが、友情が愛情へと変わり始めた時、ふたりはこの恋は命がけだと知る。


 監督は、デビュー作でアフリカのアカデミー賞を獲得、今最も輝く才能と絶賛されるワヌリ・カヒウ。古いしきたりに複雑な気持ちを抱えながら育ち、ジキとの出会いにより新しい世界へ羽ばたこうとするケナを演じたのは、これが女優デビューとなるサマンサ・ムガシア。ミュージシャンとして2014年からナイロビのアンダーグラウンド電子音楽シーンで活動を始め、東アフリカの有名フェスティバルにドラマーとして出演している。虹色の髪にカラフルなファッションとメイクの自由奔放なジキを演じたシェイラ・ムニヴァは、監督業にも進出している。


 本作は、2012年に脚本に着手してから6年にわたり製作が行われた。撮影はナイロビの団地や市街地で行われ、外国人の部門チーフ4名を除き、スタッフ全員がナイロビを拠点とするケニア人。監督、脚本家、部門チーフ、スタッフ、インターン、サウンドトラックのアーティストの多くが女性であり、クリエイティブ業界で働く若いケニア人女性たちの才能が集結した作品でもある。タイトルでもある“ラフィキ”とは、スワヒリ語で友達という意味を持つ。


 公開されたポスターは、蛍光カラーが印象的な色彩でアフリカのしきたりに抵抗する2人の少女の“今”が写し出されている。「人を好きになるのに、ボーダーなんてない」のコピーとコピーが添えられている。(リアルサウンド編集部)