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『ルパンの娘』運命には逆らえない恋の結末に?  小沢真珠の名セリフも炸裂

2019年08月30日 08:01  リアルサウンド

リアルサウンド

『ルパンの娘』(c)フジテレビ

 ついに和馬(瀬戸康史)に逮捕されてしまった華(深田恭子)。『ルパンの娘』(フジテレビ系)第8話では、和馬を待つ華と同じように、昔の恋人を待つ薄井佐知(遠野なぎこ)の再会を描いた。遠野は、『ルパンの娘』のあとに放送されているバラエティ番組『アウト×デラックス』内で行われた『ルパンの娘』オーディションを勝ち抜いて出演を果たした。


【写真】華を逮捕した和馬


 警察から逃れるため、戸籍、名前を変え、散り散りに暮らすことになった三雲家。それぞれ年齢も生い立ちも偽装し、新たな人生を歩んでいた。そんな中、華は居場所が見つからず転々としているうちに空腹で倒れてしまう。そこに通りかかった佐知が華を助け、自身の経営しているスナックで彼女を働かせることにした。


 華はスナックで働きながらも、和馬を想い、忘れられない思い出を反芻しては涙を流す。一方、和馬は、華と交際していたことでLの一族の正体を知っていたのではないかと警察組織から詰められてしまう。和馬は否定を続けるが、ついには和馬の手で華を逮捕することで証明しろと言われてしまった。その頃、華はスナックの従業員に正体がバレ、通報されてしまう。和馬はスナックに乗り込むことを名乗り出て、華と再会。華を見るなり、和馬は彼女を抱きしめるが、すぐに手錠を出し逮捕してしまう。


 第8話は、華と和馬の物語の他に、ゲスト俳優の遠野が演じた佐知の物語が描かれた。佐知は昔の恋人が刑務所に入ってしまったことを機にその人と縁を切ろうと思っていたが、今も忘れられないということを語る。そして、偶然スナックに集っていた三雲一家がLの一族だと気がつき、その恋人を“盗んで”再度引き合わせてほしいと頼むのであった。佐知の恋人をヤクザの一味から連れ戻すシーンでは、それぞれ別の人格を演じた三雲一家が、いつもと違う衣装で華麗なアクションを披露する。ここでも三雲家は人助けの精神を忘れない姿を見せ、あくまでも普段の泥棒家業は義賊であるということを強調した。さらに、佐知の物語を描くことで、和馬と華の恋についても、華の背中を押すように物語は進行する。だが、和馬が華を逮捕したことで、2人の恋は先が見えない状況になってしまった。


 今回もパロディ要素が多く盛り込まれ、視聴者を飽きさせない工夫が徹底された。三雲悦子を演じる小沢真珠の過去の出演作『牡丹と薔薇』(フジテレビ系)の有名なセリフ「役立たずのブタ」を引用したり、山田洋次監督の『幸福の黄色いハンカチ』のオマージュや、ドキュメンタリー作品『ヨコハマメリー』で有名なハマのメリーさんのオマージュ、『トラック野郎』シリーズを想起させる派手なデコトラなどが登場し視聴者を沸かせる。これまで色んなドラマや映画に親しんできた人が思わず「あっ!」と声を上げてしまうような作品からのオマージュを盛り込むことで、物語の本筋以外でも楽しめるポイントを作っている。こうしたコメディ要素と恋愛部分でのシリアスなシーンの絶妙なバランスもまた、本作の魅力だろう。


 キャラクターの個性もどんどん濃くなっていき、もはや名物一家となった三雲家。メインのストーリーだけではなく、それぞれのキャラクターの背景さえも深く楽しめる作品だ。


(Nana Numoto)