JAF日本自動車連盟は、8月29日付けで2020年JAF国内競技車両規則を発表した。スーパーGT GT500クラス車両についても、来季に向けいくつかの箇所での変更が記されているが、最も気になる部分としてエンジン搭載位置に関する記述を見ることができる。2020年から、エンジンは車室(キャビン)よりも前に配置しなければならないとされているのだ。
スーパーGT GT500クラスで用いられる車両は、DTMドイツ・ツーリングカー選手権との間で協議が進められてきたクラス1規定に基づき、JAF国内競技車両規則の中の『第8章 グランドツーリングカー500(JAF-GT500)』として記される規則に基づき製作される。
2020年に向けては、いくつかの変更箇所があるが、気になるのは第5条『エンジン』に関する変更だ。変更された文面は下記のとおりとなっている。注目は、『5.1.2)エンジンの位置』の部分だ。
<<2019年規定>>
第5条 エンジン
以下の条項を除き自由。
5.1.1)エンジンの型式および排気量
認められるエンジンはJAFに申請し承認を受けた過給器付き筒内直接噴射の直列4気筒で、排気量2,000ccを超えることの無いエンジンのみである。
当該エンジンを使用して初めて参加する競技会の2ヶ月前までに申請しなければならない。申請は1シーズンに1回に限られる。
5.1.2)エンジンの位置
搭載されるエンジンは、基本車両の搭載位置に車両前後方向で配置されなければならない。
<<2020年規定>>
第5条 エンジン
以下の条項を除き自由。
5.1.1)エンジンの型式および排気量
認められるエンジンはJAFに申請し承認を受けた過給器付き筒内直接噴射の直列4気筒で、排気量2,000ccを超えることの無いエンジンのみである。
当該エンジンを使用して初めて参加する競技会の2ヶ月前までに申請しなければならない。申請は1シーズンに1回に限られる。
5.1.2)エンジンの位置
搭載されるエンジンは、車室より前部に配置されなければならない。
つまり、エンジンは車室より前部=キャビンより前、フロントエンジンでなければならないということ。2019年までは『基本車両の搭載位置に』配置することが定められていたため、唯一のミッドシップ車両だったホンダNSX-GTは、規則上ミッドシップに搭載することが定められていたということになる。
ただ2020年からは、エンジンを車室の前に積まなければならないことが車両規定上定められたことになる。2020年は新たなGT500マシンが登場する予定で、近々に発表されるとも言われている。特にホンダはすでにこの規則を盛り込んで開発されているはずだが、どんなマシンが登場するのか、気になるところだろう。