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ゴールドウインとスパイバーによるクモの糸を使った「ムーン・パーカ」発売日決定、価格は15万円

2019年08月29日 14:12  Fashionsnap.com

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発売が決定した「ムーン・パーカ」 Image by: FA SHIONSNAP.COM
ゴールドウインは、人工合成クモ糸繊維の開発で知られるバイオベンチャー企業のスパイバー(Spiber)との共同開発によるアウトドアジャケット「ムーン・パーカ(MOON PARKA)」の発売日を12月12日に決定したことを発表した。50着限定の抽選販売で、8月29日18時から特設サイトで購入申し込みの受付を開始。当選者は「ザ・ノース・フェイス ラボ(THE NORTH FACE LAB)」の店頭で購入できる。
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 ムーン・パーカは、スパイバーの独自技術で開発した人工合成クモ糸素材「クモノス(QMONOS®︎)」を使用。微生物による発酵プロセスにより作られた構造タンパク質を使用して市販される世界初のアウトドアジャケットとして、2015年10月にプロトタイプが発表された。
 微生物を由来に開発した構造タンパク質素材を使ったTシャツ「プラネタリー・エクイリブリアム ティー(Planetary Equilibrium Tee)」に続く、ゴールドウインが展開する「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」とスパイバーのコラボレーションプロジェクト「THE NORTH FACE sp.」の第2弾として発売する同商品の価格は税別15万円。サイズはユニセックスで展開する。当初は2016年の発売を予定していたが、クモの糸が持つ「Super Contraction(超収縮)」の特性により水に濡れるとゴムのように伸びてしまうといった生地の耐久性や安定性などの課題があったため、DNAの設計や合成といった基礎研究から見直したという。冬のアウトドアシーンからタウンユースまで幅広く使えるようシンプルなデザインを追求しながら、表地の中間層には防水透湿ラミネート、中綿にはザ・ノース・フェイスの頂上商品群「サミットシリーズ」のエクスペディション用防寒ジャケット「ヒマラヤン・パーカ」にも採用されている「900フィルパワーのCLEANDOWN」を使用することで防水透湿・保温性を確保。裏地には月面着陸に成功したアポロ11号が撮影した地球のデザインをあしらった。
 記者発表会に登壇したスパイバーの代表執行役 関山和秀氏は、ムーン・パーカの発売について「この日を迎えられることを4年間待ち望んでいた。今回は非常に少ない数での販売にはなるが、人類がよりより社会へと飛躍していくための大事な第一歩になったのではないかと思う」とコメント。今後の両社による展開として、アップデートしたムーン・パーカの発売をはじめ、構造タンパク質素材を使用したインナーやミドルウェアなどの開発を進めている。また、将来的には構造タンパク質素材を用いたフェイクファーの開発も視野に入れているという。
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■特設サイト(8月29日18時公開予定)