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広瀬すず、『なつぞら』で“親バカぶり”を披露 娘からの「もう闘わなくていいよ」は届かない?

2019年08月29日 12:11  リアルサウンド

リアルサウンド

『なつぞら』(写真提供=NHK)

 夫・一久(中川大志)との間に愛娘の優(増田光桜)が生まれ、東洋動画では作画監督に抜擢されたヒロイン・なつ(広瀬すず)。公私ともに順調かとも思えるが、なかなかそういうわけにもいかないのだ。


 連続テレビ小説『なつぞら』(NHK総合)第130話では、自宅に持ち帰ったなつの動画用紙に、優が絵を描いてしまう。そしてなつ自身は、作画監督を務めるアニメーション『キックジャガー』の最終回に悩んでいた。


【写真】会社でのなつの親バカぶり


 みんなからその誕生を望まれて生まれてきた優も、いまやもう4歳。“育児と仕事の両立の難しさ問題”などにはささやかに触れながら、優という一人の少女の自我が芽生え始める、次のタームに入ったのだ。優は絵を描く母の横で、彼女もまた絵を描いている。


 そんなある日、なつが目を覚ますと、自宅に持ち帰っていた『キックジャガー』の動画用紙に優が落書きをしてしまっていた。なつは、なぜこんなことをしたのかと問いかけるが、用紙を見てみれば、それは単なる落書きなどではない。パラパラと紙をめくると、“動画”になっているのである。優いわく、「ママのお仕事を手伝いたかった」「ママをちゃんと休ませたい」そんな優しい気持ちから生まれた行動だったらしい。なつはこんな娘を「天才」と褒めそやし、会社でも自慢する親バカぶりを披露。なんとも実に微笑ましい。


 だが会社では、大きな仕事が待っている。『キックジャガー』の最終回の案が思いつかないのだ。そこでなつは、優に「キックジャガーに会えたらどうする?」と聞いてみる。優の答えは「もういいよ。もう闘わなくていいよ」という気持ちを伝えるというものだ。やはり大人の頭だけで考えても出てこない答えを、小さな子どもというのは持っているようだ。この後『キックジャガー』が有終の美を飾ることが、それを示しているだろう。


 さて、先の優の発言「もう闘わなくていいよ」は、どうにも「キックジャガー」に向けたものだけではないように思える。なつは『キックジャガー』を引退させず、闘い続けることを選択させた。これは現在のなつの姿とも重なるのではないだろうか。作画監督という大役を務め上げたあとでも、まだまだ闘いは残っているのである。


 仕事が遅い時などに、たびたびお世話になっている茜さん(渡辺麻友)だが、この回のラストでは、なつが迎えに来ているのにも関わらず、優が茜から離れられない場面で幕となった。その小さな体から発する“SOS”を、どこかで見落としていたのかもしれない。


(折田侑駿)