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元アウディ所属のマティアス・エクストローム、クプラe-Racerの公式アンバサダーに就任

2019年08月29日 10:51  AUTOSPORT web

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フルEVツーリングカー『セアト・クプラe-Racer』のオフィシャルドライバー兼アンバサダーに就任したことが発表されたマティアス・エクストローム
DTMドイツ・ツーリングカー選手権で2度のドライバーズタイトルを獲得しているマティアス・エクストロームが、セアトの高性能部門クプラと契約。同社が推進する電動モータースポーツの象徴となるフルEVツーリングカー『クプラe-Racer』のオフィシャルドライバー兼アンバサダーに就任したことが発表された。

「クプラ・レーシングにとって、電動化の推進はブランド活動のコアに位置付けられている。数多くのカテゴリーでオールラウンドな才能を発揮してきたマティアス(・エクストローム)との連携で、彼の類稀なレース経験とスキルを活用し、モータースポーツの未来を革新したい。世界中のモータースポーツに関して、新たな体験を提供できると考えている」と語るのは、セアトの事業開発戦略室のディレクターを務めるアントニオ・ラバト。

 1978年生まれのエクストロームは、DTMでのタイトルを筆頭にWorldRX世界ラリークロス選手権でもチャンピオンを獲得するなど、サーキットレースに限らずラリークロスやアイスレースなど、あらゆるカテゴリーで才能を発揮。年に1度の祭典である“レース・オブ・チャンピオンズ”でも3度の優勝を飾っている。

 その世界的にも珍しい汎用性の高いドライビングスキルを持つエクストロームに、電動化をブランドの核に据えたセアト、クプラ・レーシングが白羽の矢を立てた形だ。

 現在セアトのモータースポーツ部門を担当するクプラ・レーシングは、2020年にプレシーズンが開幕する世界初のフルEVツーリングカー選手権、ETCRに向けてマシン開発を進めており、今後エクストロームは、シリーズ初の公式マシンとなる『セアト・クプラe-Racer』の開発ドライバーとして合流することになる。

「クプラとのジョイントは僕にとって自然な成り行きだった」と、契約合意に際しての意図を語った北欧スウェーデン出身のエクストローム。

「あらゆるサーキット・カテゴリーで、本当にさまざまな形式の内燃機関エンジンのマシンを走らせてきた。もちろん、ラリークロスでも2リッター直列4気筒ターボで600馬力を超えるようなマシンを操ってきた。それは本当に楽しい経験だったよ」

「その体験を経て、クプラとともにエレクトリック・レーシングの世界に移行するべき時期が来たと感じているんだ。とくに僕の生まれた国や北欧諸国は、世界的に見てその先進的地域でもある。このセグメント誕生以来の“パスファインダー(先駆者)”であるクプラとともに、電動モータースポーツの世界に進もうと思う」

 現在開発中の『セアト・クプラe-Racer』は、世界初の100%電動ツーリングカーとしてTCR規定車両をベースに構築され、連続して300kWの出力を供給し、最大瞬間出力として500kW(680PS)ものパワーを発生。わずか3.2秒で0-100km/h加速をこなし、0-200km/hも8.2秒、最高速度は270km/hを軽々とマークする。

 エクストロームは、そのキャリアを通じてアウディスポーツのファクトリー契約ドライバーとして活躍を演じてきており、DTMの現役時代から自らのチームとなるEKSを組織して、ラリークロスの世界選手権でもアウディのマシンで戦ってきた。

 2018年にDTMからの引退を表明以降もアウディスポーツの顔としてさまざまな活動を続けてきたが、その立ち位置が今後どのように変化するかは、本人とアウディスポーツ双方からまだアナウンスはなされていない。

 この後、エクストロームと『セアト・クプラe-Racer』は、9月12日から開幕するIAAフランクフルト国際モーターショーで、セアトブースのラウンチイベントに登壇する予定となっている。