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幹線道路の路肩にトラックを停めて、食事や昼寝…道交法違反になる?

2019年08月29日 10:11  弁護士ドットコム

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幹線道路の路肩にトラックを停めて、食事や昼寝。時々見かける光景だが、東京都内の会社員ヨシオさんは最近、路肩にトラックが並んでいる光景を見て、「これはさすがに邪魔だ」と憤っている。


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中に人がいるならともかく、誰もいないトラックを見かけることもある。トラックだけでなく、タクシーなども見かけることがあるという。



弁護士ドットコムニュース編集部が、東京・六本木のある路上(3車線)を正午ごろにウォッチしてみたところ、駐車禁止の標識があるにもかかわらず、トラックや配送車両など6台ほどを見かけた。ハンドルの上に足を乗せて昼寝する運転手や、新聞を読みながら食事をする運転手など、明らかに休憩している様子だった。



路肩に車を停めて、食事や昼寝をすることは道交法でどのような問題になりうるのか。中村友彦弁護士に聞いた。



●「駐車」と評価される場合、道交法違反になる

「道路交通法44条と45条は、駐車を禁止する場所を定めており、車が停まっている場所がこれらの条文で駐車が禁止されている場所であれば、道路交通法44条や45条違反の可能性があります。典型的なものとしては、駐車禁止の標識がある場所などでしょう。   ただし、車が停まっていたとしても、全ての場合が禁止場所への駐車として道路交通法違反になるわけではありません。車が停まっている状態が、『駐車』と評価されるものである必要があります」



それはどのような状態のことか。   「道路交通法2条18号では、駐車とは、『車両等が客待ち、荷待ち、貨物の積卸し、故障その他の理由により継続的に停止すること(貨物の積卸しのための停止で5分を超えない時間内のもの及び人の乗降のための停止を除く)、又は車両等が停止し、かつ、当該車両等の運転をする者がその車両等を離れて直ちに運転することができない状態にあることをいう』とされています」



●車内での食事や昼寝は「駐車」と評価される可能性が高い

食事や昼寝については、どう考えればいいのか。



「路肩に車を停めて、車内で食事や昼寝をしている場合には継続的な停止にあたり、食事のために車外に出ている場合には、車両等を離れて直ちに運転することができない状態にあたりますので、『駐車』と評価されて道路交通法44条や45条違反となる可能性が高いと思われます。罰則としては、違反の内容により10万円か15万円以下の罰金となります(道路交通法109条の2、109条の3)。



なお、車を停めていた場所が、駐車禁止の場所に該当しない場合には、先ほど説明した道路交通法44条や45条の問題は生じませんが、駐車の方法が他の交通を妨害するようなものであったり、道路標識等により指定された方法で駐車していなかった場合には、道路交通法47条や48条などの駐車方法の違反の問題となり、10万円か15万以下の罰金となる可能性はあります(道路交通法119条の2、119条の3)。



また、駐車の時間が長ければ(12時間以上の駐車か、夜間であれば8時間以上の駐車)、自動車の保管場所の確保等に関する法律違反により、20万円以下の罰金の可能性があります」




【取材協力弁護士】
中村 友彦(なかむら・ともひこ)弁護士
OSAKAベーシック法律事務所所属。幅広く扱っているが、交通事故の被害者側の案件が多く、加害者側・交通事故に関する刑事弁護等も扱っている。
事務所名:OSAKAベーシック法律事務所
事務所URL:http://www.o-basic.net/