メルセデスF1代表のトト・ウォルフは、チームが現在2019年F1両チャンピオンシップで首位にあるにも関わらず、「ライバルたちより優勢であるという気がしない」と語った。
サマーブレイクを終え、メルセデスはスパ・フランコルシャンでレースに戻る。第12戦終了時点で、コンストラクターズ選手権では2位フェラーリに150ポイントという大きな差をつけて首位。一方でルイス・ハミルトンはドライバーズ選手権でトップで、チームメイトのバルテリ・ボッタスは62ポイント差で2位に続いている。
メルセデスは、理論上は両選手権における6年連続のタイトル獲得に向けて順調に進んでいるように思われる。
しかしレッドブル・ホンダとマックス・フェルスタッペンがオーストリアGPとドイツGPで優勝して勢いを増していることもあり、メルセデスはライバルへの警戒を続けている。
「我々は両選手権で首位にあるが、そのような感じはしない」とウォルフは今週末のベルギーGPを前に語った。
「この数年、サマーブレイクの後に各チームが非常に強力なパフォーマンスを発揮するところを目にしてきた。つまり、我々もプッシュし続けていく必要があるのだ」
「そうした意味では我々は2019年後半を、完全に新しいシーズンを始めるようにスタートさせようとしている。今一度、我々はミスをする余地をなくし、レベルを上げ続けていく必要がある」
ウォルフがメルセデスのプレビューのなかで明らかにしたところによると、ブラックリーに位置するシャシーのファクトリーがサマーブレイク期間中は休業していた一方で、ブリックスワースにあるパワーユニットの拠点は稼働していたという。F1レギュレーションで、サマーブレイク中にはシャシー関係の作業を行うことは許されていない。
「ブラックリーのスタッフの大半はシーズン後半に向けて充電する機会があったが、他のチームメンバーはこの数週間仕事を引き継いでいた」とウォルフは語った。
「ブリックスワースのチームメンバーは、パワーユニットのパフォーマンスと信頼性を改善するべく、F1のサマーブレイク中も稼働していた」
「チームの一部が全力で仕事を進めているなか、我々はサマーブレイクから復帰した。我々が休暇の間も仕事を続けてくれたスタッフたちに感謝している」
スパ・フランコルシャンはパワーサーキットの性質を持っており、先頭集団での戦いが激しくなるものとみられる。フェラーリはこの伝説的なアルデンヌのコースで、メルセデスとの激戦を演じるだろう。
「適切なセットアップを見つけることが難しい。なぜならロングストレートやさまざまなコーナースピード、またかなりの高低差といった難しい要素が組み合わされているコースだからだ」とウォルフ。
「また、アルデンヌの天気は幾分予測できないところがあるため、セッションを非常に面白いものにするだろう。戦いを楽しみにしている」