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ダルビッシュ有、登板後にまさかのSHOWROOM配信! ファン垂涎の“変化球講座”も開講

2019年08月28日 21:11  リアルサウンド

リアルサウンド

突如生配信を行なったダルビッシュ有(画像提供=SHOWROOM)。

 大リーグ、シカゴ・カブスのダルビッシュ有投手が日本時間28日、8回1失点で5勝目を挙げたニューヨーク・メッツ戦のわずか数時間後に、ライブ配信アプリ『SHOWROOM』にて「ダルビッシュの部屋」を立ち上げ、突如生配信を行なった。


(参考:投手・大谷翔平の成功のカギは、速球の“回転数”にあり?


 この日の日本時間正午すぎ、ダルビッシュは自身のTwitterで突如「この後showroomで生配信したら見る人います?」とTweetし、その後、実際に配信がスタート。「聞こえてます? パソコンからやろうと思ったんですけどやり方がわからず……」と初々しさを覗かせつつ、「この間、SHOWROOMの前田さん(前田裕二社長)とお会いする機会があって、これを機に配信してみようかな、なんて」と、今回の配信を行なった経緯を明かした。


 ダルビッシュは前田氏について「頭もすごくいいし、人にも気を使いまくれるし、堂々とメモしまくってるのかなと思ってたけど、いつ書いているのかも人に感じさせないのもすごい」と絶賛。2人を引き合わせた幻冬社の箕輪厚介氏についても「めっちゃいい人」とコメントを寄せた。


 視聴者から続々と質問が届くなか、「張本(張本勲)さんをシェンロンで消したいですか?」と、TBS系『サンデーモーニング』での張本氏の発言を受けた話題のツイートを取り上げたコメントが届くと、ダルビッシュは「いや、張本さん自体が嫌いとかじゃなくてね。あのコーナーを消したいなって」と改めて言及する場面も。


 続いて、自信のある球種について聞かれたダルビッシュは「カッター系は自信ありますね」と答えたり、日本に戻るならと聞いた質問には「戻るなら日本ハムでしょ。それ以外は考えられないですね。日本ハム相手に投げるのが想像できなくて……」と、日本に戻るかどうかはさておき、自身の去就についても言及した。


 また、「大谷選手をどう打ち取りますか?」という質問には、カブスのデータベースを見ながら「右ピッチャーは難しいですよね……フォーシームは外の低目がいいけど、それ以外は打ってるな……。これだけバランスよく打てるのはすごい。あまり穴がないバッターです。(打ち取るなら)外低めと内スライダーですかね」とガチ回答するシーンも。


 中盤では「いまね、Uber Eatsで注文してたんですけど、勝手にキャンセルになって……」と夕食が手元に来ずに困惑したダルビッシュ。そこから食事の話になり「投げた後はカロリー摂らないといけなくて、甘いものを食べたりします」と語り、届いたルームサービスを食べながら配信をすることに。


 途中、フォームについての質問が飛ぶと、ダルビッシュは「シーズンで数試合やってたらフォームって誰でも崩れてくるんですね。それってなんでだろうと考えたんですけど、ずっと同じことをしていると脳は刺激を欲しがるから、同じフォームにしたくても、イメージしてるものからズレていくのかなと」と仮説を立てたうえで「5月の終わりくらいから平地でキャッチボールをするフォームと、マウンドやブルペンで投げるフォームを変えたんですよ。そうしたら、脳が飽きなくなったのか、どっちも崩れなくなって」と、劇的にフォームが改善した理由を明かした。


 また、視聴者からスプリットについて質問が飛ぶと、「スプリット、最近投げ方変えたんですよ」とこの日のウイニングボールを取り出し「これまでは千賀(滉大/福岡ソフトバンクホークス)くんと同じ握りでした」と、人差し指と親指を縫い目にかけた握りであることを明かした。


 そのうえで「『どう投げる?』って誰に聞いても『ストレートみたいに押し込む』って言うんですよ。その感覚が自分にはわからなくて。自分でも打たれてはなかったんですけど、どうも違和感があって。スライダーとかカッターみたいな曲げる系のボールは得意だから、力の伝え方を縦の早いカーブみたいに投げてみようと思ったら、すごく落ちるようになったんです」と突如、変化球講座が開講。


 カットボールについても「140km後半から150kmくらい出るけど、まっすぐもカッターも握りは同じなんですけど、まっすぐはこういう感じ(指先までまっすぐにスピンをかける動き)で、早いカットはこういう感じ(投げている途中で指先を少し曲げる・指をかける動作)で普通より長く持つイメージだとよく曲がります」とレクチャーした。


 また、シュート回転について聞かれたダルビッシュは「シュート回転、全然悪くないですよ。日本だとちょっとでも曲がると『シュート回転かかった』とか『甘いところに入った』とか言うでしょ。でも、入っててもかかってても抑えられるんですよ。(ジャスティン)バーランダーもゲリット・コールもみんなシュート回転かかってますからね」と、ナチュラルな回転のストレートを良しとする風潮に意義を唱えた。


 そして、視聴者のコメントをきっかけに、話題は再び張本氏へ。ダルビッシュは「張本さんのことは別に嫌いじゃない」と改めて断ったうえで、「野球界をいい方向に持っていきたいから、それを阻もうとする人をほったらかしにはしちゃいけないだけ。今までは上下関係が厳しかったから上の人の言うことが絶対で、議論なんて起こらなくて、新しくなっていかなかった。(今後は)若いプレイヤーがそういう人たちと話していかないと」とこれからの野球界のあり方について提言した。


 そのうえで、「千賀くんもオリックスの山本(由伸)投手もすごい。そう思うようにしないと、どの業界も回っていかない。引退して『俺らのときはこうやったからこうしろ』みたいなことを言ってたらダメ。自分が一番肝に命じているのは『今の選手が一番すごい』ってこと」と、自らのブレないスタンスを改めて口にする場面も。


 その後、この日の試合の動画を見ながら自身のピッチングを振り返る時間を経て、現地の時刻が夜の1時に近くなってきたこともあり、約1時間半に及んだ配信が終了した。


 プロ野球選手、ましてやメジャーリーガーが直接ファンと交流する、という前代未聞の生配信となった今回。動画の最後には「また配信させていただくので!」と約束をしたりと、今後の配信にも期待が持てそうだ。(向原康太)