三谷幸喜監督の新作映画『記憶にございません!』のオリジナルサウンドトラックが9月11日にリリースされる。
9月13日から公開される同作は、政界を舞台にしたコメディー映画。国民から「史上最悪のダメ総理」と呼ばれ、史上最低の支持率を叩き出した総理大臣・黒田啓介が、記憶喪失によって善良で純朴な「普通のおじさん」に変貌し、他国の首脳、政界のライバル、官邸スタッフ、マスコミ、家族、国民らを巻き込みながら自らの夢と理想を取り戻す、というあらすじだ。一般市民の投石がきっかけで記憶を失った総理大臣・黒田啓介役を中井貴一が演じる。
荻野清子が手掛けたサウンドトラックには全34曲を収録。ボーナストラックとして三谷が作詞、合いの手、中井が歌唱を担当した“まったく記憶にございません”なども収められる。同曲は9月4日から先行配信。
■中井貴一のコメント
三谷さんから、植木等さん風のあの頃のナンセンスな歌を作るというアイデアを聞いて、僕や三谷さんのようなクレイジーキャッツの残り香で育った世代にとっては、あの方たちのような歌を歌うのは夢でもあったので、僕は植木等さんみたいに歌うのであれば、やります、と即答しました。
この曲は、映画とはまったく関係ないですけれど、世の中が明るくなるような歌なので、そんな歌が歌えて、夢が叶ったと言えば叶ったのかなと思います。
三谷さんの合いの手は完璧で、まるで谷啓さんが歌っているように聞こえました。
歌を聞いていただければ想いは伝わると思いますが、誰でも「記憶にない」と言いたくなるときがありますから、現実と掛け離れているようで、とても身近な歌になっていると思います。
■三谷幸喜監督のコメント
この曲は、実は映画とはまったく関係ありません。劇中にも出て来ません。僕の映画は、いつもはどちらかというと音楽に溢れているのですが、今作はやや少なめ。劇中音楽を集めてみたら、意外にサントラを作るには尺が足りないことがわかって、何か足そうということになり、急きょ作ったのがこの「まったく記憶にございません」です。いわゆるやっつけ仕事です(笑)。ところが、予想外のクオリティとなり、びっくりしています。
植木等さんが歌った人生の応援歌みたいな曲を目指しました。僕は青島幸男さんになりきって詞を書き、中井さんは植木さんになりきって歌いました。極論ですが『記憶にございません!』という映画が後世に残らなくても、この歌は残る、そのくらい素晴らしい曲になったと僕は思っています。
夢はもちろん紅白出場です。中井さんが、植木さんさながらに真っ白なスーツを身に纏い、熱唱するのが目に浮かびます。その際は、僕はもちろん谷啓さんのポジションで出ますし、願わくば佐藤浩市さんもハナ肇さんになりきって、一緒にステージに立ってくれれば完璧ですね。