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すとぷり、リスナーと“一生忘れられない思い出”作る 熱い思いも語った初の全国ツアー最終公演

2019年08月28日 14:01  リアルサウンド

リアルサウンド

すとぷり(写真提供=すとぷり)

 すとぷりが、福岡公演を皮切りに6都市11公演に渡って開催してきた初の全国ツアー『すとろべりーめもりーvol.9』のファイナル公演を8月25日、幕張メッセイベントホールで開催した。


 2016年6月4日に結成されたすとぷりは、“歌ってみた”動画の投稿、ゲーム実況の配信などそれぞれに異なる活動をおこなってきた、さとみ、ジェル、ころん、ななもり。、莉犬、るぅとの6人からなるエンタメユニット。9月には、埼玉・メットライフドームでの2DAYSワンマンライブの開催を控えるなど、人気絶好調の彼らだが、そこに至ったのは、毎日の動画投稿、リレー生放送、イベント開催など、愚直な努力の積み重ねがあるからこそ。そのことはこの日のライブでも明らかだった。


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 オープニングムービーを経てから、花火や、ヨーヨー、西瓜など夏の風物詩のモチーフを取り入れた苺のステージセットのもとに、黒いスーツ姿のすとぷり6人が登場する。1曲目のレーザー光線が行き交うなかでの「GO GO CRAZY」に「Move on!」とクールなナンバーを歌い続けた後には「今日は楽しむ準備できてますか? ありがとー! 一生忘れられない思い出作りましょう!」とななもり。が告げる。前日の公演でもおこなったという手押し相撲選手権を、莉犬による、ひとり対戦から、るぅととジェルによる対戦に繋ぐと、負けたるぅとが、罰ゲームとして会場に向かって投げキッスする流れで「Aqua Kiss」へ。初の実写MVとなった「僕らだけのシャングリラ」では、ステージ上のスクリーンで展開されるMVを背景に息の合ったダンスを披露した。彼らのライブが熱気で満ち溢れているのは、耳馴染みのいい楽曲群とユーモアに富んだ人柄の親和性の高さからきているのだろう。誰もが虜になっていく。


 ここからは、ソロパート。真っ先に会場を青色に染めたのは、「敗北ヒーロー」でチャーミングな手振りを加えた、ころん。続くるぅとは、拳を振り上げながら「あの夏に陽を点けて」を声量いっぱいに届け、黄色い歓声を浴びる。イメージカラーが紫の、ななもり。は、パワフルに「ごめん。正直めっちゃ好き。」を歌うと、最後に「(歌詞に出てくる)猫はみんなのことだからね?」と微笑んだ。セクシーな歌声で「JUMP AND FLY」を披露したのは、オレンジ色のシャツを着たジェル。9月にリリース予定の初のソロミニアルバム『Memories』収録曲「恋をはじめよう」で会場をピンクに彩ったさとみの後には、「幕張、盛り上がってますかー?」と赤髪の莉犬。飛びっきりの愛らしさを添えて「君の方が好きだけど」を歌い上げる。


 続いて、莉犬、ころん、るぅとの“信号機組”が、コール&レスポンスを繰り広げた「道標」と、ななもり。、さとみ、ジェルの“大人組”が、肩を組みながら歌った「キングオブ受動態」を経ると、MCを挟み、ステージ上に設けられた2階部分で6人がまったりと座りながらのトークパート。「普段家で寝る時はどんな感じかやろうよ」と言うななもり。に、ころんが寝転がると、その上にメンバーが覆い被さり、下敷きになるころん。


 ステージにあるのは、リレー生放送時と変わらない自由な6人の姿。リスナーを喜ばせるためにおこなう全てのことは、全部自分たちで決めている、すとぷり。だからこそ、何をするにも、心から楽しんでいる様子を見せてくれるのだ。日頃からリスナーに対して率直に感謝を伝える彼らは紛れもなく、自分たちの気持ちにも正直に生きている。


 ここで苺模様の浴衣を着た6人が、「苺色夏花火」、巨大なバルーンが会場中を舞った「よさこいディスコ Party」といった夏の2曲と、「大好きになればいいんじゃない?」をもって本編を締めくくった。


 アンコールでは6人が、すとぷりの活動に懸けている熱い思いを涙ながらに明かしていく展開に。楽曲制作を学ぶために音楽系の学校に進学したものの、学校と活動の両立が困難になり、退学する決断を下すに至ったと、すとぷりに懸ける思いを伝えた、るぅと。目指していた教師は日頃向き合えるのが30人程度なのに対して、すとぷりとしてステージに立てば、30人では収まらない多くのみんなが応えてくれると、夢以上のいまの幸せを噛み締めた、ころん。自分の声が誰にも届いていないと苦しんだ時期もあったなか、すとぷりに出会ったのを境に、言葉が届いていると思えるようになったと感謝を述べた、さとみ。心の満たされない日々を送っていたところにすとぷりに出会い、みんなを笑顔にすることが夢になったと、生き甲斐を見つけたと語ったジェル。嫌なことがあるたびに、Twitterで見ることができるリスナーからの温かい呟きに救われていると話した莉犬。みんなが喜んでくれることを第一に考えて、色んなことに挑戦して、みんなを一番に幸せにするユニットがすとぷりだ、と全力で、すとぷりの未来を誓ったななもり。。


 様々な選択肢がある中で、すとぷりの一員として人生を歩んでいくことを選んだ6人は、すべてを懸けて活動しているからこそ、多彩なことに挑戦していく姿勢が生半可ではない。なにより、メンバー同士が覚悟を持ってすとぷりと向き合っていると理解していることが、楽しみも悲しみも深く分かち合えていることに繋がっている。


 温かみの増した会場をカラフルに飾ったのは、掛け声に合わせ、観客も声を上げた「はりーはりーらぶっ」と銀テープが舞った「おかえりらぶっ!」。笑顔で「おつぷりー!!」そう放った6人は手を振りながら、ステージを後にした。


 ななもり。が、結成からのたったの3年が何十年にも感じられると語ったように、凝縮された日々を重ねて、いまでは気持ちがひとつとなった彼ら。たゆまぬ努力は、これまでも、そして、これからも大きな実を結んでいくこととなるはずだ。(小町 碧音)