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広瀬すずが抱える子育てへのジレンマ 『なつぞら』父・内村光良からの助言も

2019年08月28日 12:11  リアルサウンド

リアルサウンド

『なつぞら』(写真提供=NHK)

 優の発熱で、仕事と子育ての板挟みになるなつ(広瀬すず)。周りの助けで優は無事であったものの、なつは優の一大事に自分がそばにいてあげられないことで思い悩む。『なつぞら』(NHK総合)第129話では子育てをしながら働くことのしがらみが描かれた。


 茜(渡辺麻友)に優を預けて仕事に出たなつであったが、優が熱を出したと茜から連絡が入った。なつは慌てて一久(中川大志)に連絡するが、一久も仕事で出払っていて連絡が取れない。結局、優は咲太郎(岡田将生)が預かり面倒を見てくれた。そして仕事で夜遅くに帰ってきたなつに咲太郎は「優のことはちゃんと見てるのか」と苦言を呈するのであった。なつは自分でも自覚していたことを詰められ、咲太郎に対して言葉を荒げる。そんな姿を見た咲太郎は、それ以上言及しなかったが、なつがいっぱいいっぱいになっているのは目に見えてわかった。優の側で優を支えられないこと、成長を見守れないことに誰よりもジレンマを感じているのはなつだ。


【写真】なつと一久と優


 なつからは「作画監督なんか引き受けなければよかったかな」という言葉さえ出るが、一久はそれを制止する。「二人でなんとかすればいいんだ」と言い、自身は次の日から在宅ワークにできるように切り替えて帰宅するのであった。なつが責任を持って働けるように、多くの人がサポートをしている。おかげでなつは、ジレンマを乗り越え作画監督の職を全うしていた。


 そんな優も成長し、4歳になる。保育園に通えるようになり、一緒に絵を描いて過ごすなど成長している様子を見せた。なつの職場のデスクにはいつも優のイラストが貼ってあり、成長と共に書き換えられていた。なつにとって“家族の絵”はとても大切なものだ。成長を見守り、描けることの喜びを噛み締めながら仕事に奮闘した。しかしある日、優がなつの仕事用の絵に、勝手に絵を書き足してしまう。


 第129話はここで放送が終わる。ナレーションで父(内村光良)は「なつよ、怒るな、怒らないでやってくれ」と言い、優をかばう姿勢を見せた。なつは苦悶の表情を浮かべる。母になる以上、自分の想像をはるかに超えた出来事は起こりうる。子供に悪気がない場合も多い。優の成長と共に、なつの悩みも、優の側にいれず犠牲にしてきたという罪悪感から、優とどう関わり合っていくかに変化していく。優の年齢に合わせてなつの悩みにも変化が訪れるだろう。


(Nana Numoto)