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新しい地図 香取慎吾、『スッキリ』生出演 パラリンピック/パラスポーツ応援の歩みを振り返る

2019年08月28日 06:11  リアルサウンド

リアルサウンド

 香取慎吾が、本日8月28日8時より情報番組『スッキリ』(日本テレビ系)に生出演。国際パラリンピック委員会、特別親善大使として、2020年に開幕が迫っているパラリンピックの魅力を伝えるという。


(参考:新しい地図 稲垣&草なぎ&香取が伝える“3つの力” 2020年へとタスキ繋いだ『パラ駅伝』を見て


 香取とパラリンピックの関係は、彼の活動を見守り応援してきたファン(NAKAMA)ならばよくご存知のこと。しかし、お茶の間の視聴者にとっては、香取のテレビ出演は先日の萩本欽一のバラエティ番組『欽ちゃんのアドリブで笑』(BSプレミアム)に続いて、久しぶりのことだ。もしかしたら「香取慎吾とパラリンピック?」とすぐにつながらない人もいるかもしれない。


 香取とパラスポーツの関係は2015年に遡る。もともとSMAPとしてパラリンピック応援サポーターに就任。そして2017年に稲垣吾郎、草なぎ剛と共に新しい地図の活動を始めてからも、パラサポ(日本財団パラリンピックサポートセンター)のスペシャルサポーターとして活動を続け、東京・駒沢オリンピック公園 陸上競技場で開催される『パラ駅伝」や、新潟・万代シテイにて開催された『NSTまつり2018』でパラスポーツ体験イベントを盛り上げてきた。


 『パラ駅伝』で披露されたチャリティソング「雨あがりのステップ」の売上2300万6214円は、パラサポへ全額寄付され、その贈呈式では稲垣、草なぎと共に3人でパラリンピック種目であるボッチャも体験した。ボッチャは簡単に言えば的となるボールに、自分のチームカラーのボールを投げて寄せていくスポーツだ。


 子どものようにハシャいで投げる草なぎに、香取は「何やってんだよー」とツッコみ、稲垣も「“アプローチの吾郎“って呼ばれてるんですよ」とノリノリ。香取もすっかりハマり、後日個人的にボッチャセットを購入したほどだ。3人が率先して楽しむことで、障がいがあってもなくても、誰もが楽しめるスポーツなのだということがダイレクトに伝わってきた。


 SMAPの解散前後にパラスポーツと出会った香取。いわば、彼の人生が大きく転換するタイミングだったときに、どんな気持ちを抱いていたのか。そんな率直な思いが『朝日新聞デジタル』内に特設されたページ『ぼくが見てきたもの 見ていくもの』で語られている。「ゼロになる覚悟」を持って挑んだ、新しい地図のプロジェクト。一気に走り出そうとしていたのに、いざスタートラインにつくと「何をしていけばいいのか先が見えず、立ち止まってしまう自分がいた」と明かす。そして「そんな僕の行く手を照らしてくれたのが、パラスポーツだった」とも。


 それまで当たり前のようにできることが、できなくなること。喪失感でいっぱいの暗闇に差す「これを頑張ろう」という希望の光。それは今、自分にできることを精一杯取り組むという、シンプルな姿勢。もしかしたら、そのときの香取とパラスポーツに汗を流すすべてのアスリートたちとは、共鳴するものがあるのではないだろうか。


 まだまだ日本では、どこか遠慮がちになってしまう、障がい者と健常者のコミュニケーション。その壁を作っているのは「知らない」ということだけなのだと、香取がパラスポーツの現場を取材するたびに教えてくれた。実際にパラスポーツを体験する機会は、今もまだ少ないが、香取がパラスポーツを体験し、伝えることで私たちも疑似体験することができる。こんなにも面白いものなのかと、ワクワクが伝播するのだ。


「僕は今までずっと、たくさんの人に支えられてきた。だから、自分を通してみんなにもパラスポーツを知ってもらって、もっと関心を持つ人が増えて欲しい。支えられてきた僕が、今度は誰かの力になる番だと思う。恩返しの再スタートなのです」


 生きていれば、何かしらの壁にぶつかる瞬間がある。それを「人生の絶望」と思うか、「人生二度おいしい」と言えるか。香取とパラスポーツ選手たちの語らいからは、ハッとするような言葉が飛び出す。そんなホンネを引き出せるのは、「みんなの慎吾ちゃん」ならではかもしれない。


 絶望に打ちひしがれても、不安で足がすくんでも、できることから自分なりに頑張れば、きっと世界は捨てたもんじゃないと思える瞬間がくる。そんなふうに思わせてくれるのが、香取が伝えるパラスポーツなのだ。ぜひ今日の出演を機に、より多くのテレビ番組に香取が出演し、魅力を伝えてくれることを願ってやまない。こんな面白いパラスポーツの祭典が、日本で行なわれるのに「知らない」ままなんて、もったいないではないか。(佐藤結衣)