MotoGPの最高峰クラスで5度のチャンピオンを獲得したスペイン人ライダーのマルク・マルケスは、F1のチャンピオンであるルイス・ハミルトン(メルセデス)と将来どこかの時点で直接対決するというアイデアに前向きな反応を示した。
マルケスは以前トロロッソのF1マシンを運転した経験を持つ。またハミルトン自身も長年にわたる熱心なモーターサイクリストであり、過去にはMotoGP観戦に訪れたこともある。
そうした事実から考えても、4輪と2輪のチャンピオン同士が対決することは、非常に現実味のある話だと言えるだろう。
マルケスは先日行われた第12戦イギリスGPの前に、「彼(ハミルトン)がとても上手なライダーだということは知っているよ」とイギリスの『Daily Mail』ウェブ版に語っていた。
「もちろんだよ! 直接対決は面白いと思う。最初にF1マシンで競って、次にバイクだ!」
「彼とは時々SNSを通じてやり取りしているんだ。少なくとも直接会いたいと思っている。去年はもう少しで会えるところだったんだけど、事情が許さなくて実現できなかった」
現在のF1ドライバーのなかで、バイクの魅力に引き付けられているのはハミルトンだけではない。2018年には、レッドブルがマックス・フェルスタッペンに対して、MotoGPバイクの試走には負傷のリスクが伴うとして、止めるよう警告したことがある。
フェラーリのシャルル・ルクレールは、6月にムジェロで初めて観戦したMotoGPのレースに魅せられ、「どうしてもこういうバイクに乗ってみたくなった!」と話していた。
■マルケス「モナコでF1を走らせることは難しそうだ」
一方のマルケスも、2018年6月に初めてトロロッソのF1マシンを走らせている。マルケスは当時を振り返り、次のように話した。
「トロロッソのマシンをレッドブルリンクで走らせてもらったんだ。本当に素晴らしい体験だったよ。40周走ったけれど、本物のテスト走行みたいだった」
「スピードは出せたけれど、僕には経験がない。コースのレイアウトは知っていても、ブレーキングポイントやダウンフォースを把握するのはかなり難しかった」
またマルケスは、典型的な現代サーキットであればかなりのスピードを出すこともできるかもしれないが、モナコのような市街地コースになれば話はまったく変わってくると感じたと述べた。
「通常のコースであれば慣れることもできると思う。でもモナコは別だ!」
「普通のコースでF1マシンを走らせるのは大丈夫だ。どのあたりが自分の限界なのかも見極められる。でもモナコのような市街地のコースだともっと難しくなるだろうね」
MotoGP参戦7年の今年、6度目の世界タイトル獲得を目指すマルケスには、今後も母国スペインを含むヨーロッパでのレースが控えている。今シーズンは19戦中12戦を終えた時点で、2位のアンドレア・ドヴィツィオーゾに78ポイント差をつけてトップに立っている。