元F1ドライバーでタイトル獲得経験も持つアラン・ジョーンズは、F1に「幻滅した」と話しており、将来的にはFIAでのドライバーズスチュワードの役から降りる可能性もあるとしている。
今シーズンはF1のスチュワードによる調査やレビューの不足が見受けられており、これまでの一連の決定が注目を集め、パドックやグランドスタンドにおいて議論の的となっている。
カナダGPでルイス・ハミルトンの走行を妨害したとしてセバスチャン・ベッテルにペナルティを課したFIAスチュワードのエマニュエル・ピロと彼の同僚は、F1ファンからの批判を浴びた。
今シーズンの判断を受けて、ジョーンズは現在ときおり務めているスチュワードとしての職務を、今後も続けるかどうかで頭を悩ませているという。
「結局のところ、言ってみれば私は現在のF1に少々幻滅している。真剣に、スチュワード職を辞そうかと考えるほどだ」と、1980年のF1王者である彼はSpeedcafe.comに語っている。
「彼らの進んでいる方向性や、やり方の多くに対して、まったくもって賛成できない。そして彼らに雇われている状態では、そうしたことを捨て置くことも、批判することもできないのだ」
「つまり私がFIAスチュワードであるならば、背を向けることはできないのだ」
ジョーンズは、スチュワードのリアクションがあまりにもルールに沿いすぎているとしており、彼らはもっと自身による判断を下すべきだという。
「彼らは本を渡すんだ。スチュワードの本だ。そして5ページ目、3段落目の4行目には『バッテリーリードが脱落したときにはペナルティが課される』と書いてある」と72歳で元ウイリアムズのドライバーだったジョーンズは話す。
「スチュワードはある程度自由な判断ができるようであるべきだ。結局『いや、正直に言えばあれはレーシングアクシデントだったと思う』などと言うことができないのであれば、なぜ元ドライバーを置いておくのだ?」
「すべてがマニュアル通りである必要はないと、私は考えている」
また技術的な違反やメカニカルトラブルなど、チームに責任のある場合において、ドライバーを罰するという方針についてもジョーンズは反対している。
「メカニカルトラブルが発生したならば、それについてはマニュファクチャラーが被害を被り、罰せられるべきだと思う」と12回のF1優勝経験を持つジョーンズは語った。
「テレビ放映の配当金から、彼らが多くの資金を受け取っていることを忘れないでほしい。分配の割合は、選手権で彼らが何ポイントを獲得したかによって決まるのだ」
「馬鹿げた技術規則の違反によって彼らがポイントを奪われるのであれば、そうなればいい。苦しむべきは彼らであってドライバーではない。そしてさらに重要なのは、お金を払ってレースを見に来た観客ではないということだ」