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King & Prince、GENERATIONS、浦島坂田船……ボーカルワークが堪能できる新作

2019年08月27日 12:12  リアルサウンド

リアルサウンド

King & Prince『koi-wazurai』(通常盤)

 平野紫耀の主演映画の主題歌として話題のKing & Princeの4thシングル、初の5大ドームツアーを控えたGENERATIONS from EXILE TRIBEの新曲、ネットシーンはもちろん、さらに幅広いリスナーに支持されはじめている浦島坂田船のニューシングル。複数のボーカリストを擁するグループによる、“ボーカルワークが堪能できる新作”を紹介!


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 リリース初週の売上が45万枚を突破し、2019年を代表するヒット作となった1stアルバム『King & Prince』を経て届けられた4thシングルの表題曲「koi-wazurai」は、平野紫耀の主演映画『かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~』(9月6日公開)の主題歌。映画のストーリーに重ね、“運命的な恋煩い”をテーマにしたラブソングだ。ロマンティックな雰囲気のストリングス、愛らしさと切なさを含んだメロディなど、デビュー以来の王道のアイドルポップ路線を継承しつつ、4つ打ちのキック、ベースラインにはダンスミュージックのトレンドを取り入れるなど、全方位的なポップチューンに仕上がっている。平野の個性的なハスキーボイスを中心に、メンバーの特性を活かした歌い分け、コーラスワークも聴きどころ。


 8月31日から初の5大ドームツアー「GENERATIONS LIVE TOUR 2019 “少年クロニクル”』がスタートするGENERATIONS from EXILE TRIBEのニューシングル。表題曲「DREAMERS」は、ゆったりとしたグルーヴを描くトラック、アコースティックギターを活かしたオーガニックなアレンジとともに“葛藤や悩みを超えて、いつの日か夢を掴もう”とメッセージするミディアムチューン。グループのキャリアと7人の軌跡を追体験できる楽曲だ。瑞々しい響きをたたえた片寄涼太のボーカル、ふくよかな中低域で楽曲に奥行を与える数原龍友の歌声も印象的。観客と一緒にシンガロングできるパートもあり、ドームツアーでも心地いい一体感を生み出しそうだ。


 うらたぬき、志麻、となりの坂田。、センラからなる4人組ボーカルユニット・浦島坂田船のニューシングル『明日へのBye Bye』。TVアニメ『イナズマイレブン オリオンの刻印』(テレビ東京系)エンディングテーマに起用された表題曲は、つんく♂の作詞・作曲によるアッパーチューン。歌謡曲的なノスタルジックなメロディ、重低音のキックを強調したエキゾチックなトラックが鮮烈なインパクトを放っている。4人のシンガーが激しく出入りする平歌、全員が声を揃えてユニゾンするサビのコントラストもこの曲の魅力だ。シングルにはさらに、ヘビィロック系のサウンドとハッピーなメロがひとつになった「シンプルLOVE」、ダンサブルなロックチューン「アワ・ダンサー」などを収録、幅広いボーカル表現が楽しめる。


 2018年に超新星からSUPERNOVAに改名し、約4年ぶりにグループとして再始動。シングル「ChapterⅡ」「BANG★」をヒットさせた彼らから、日本デビュー10周年を記念したフルアルバム『PAPARAZZI』が届けられた。ネオファンクの潮流を汲んだトラックと“君だけがすべて”なリリックがひとつになった「Present」、恋人の誕生日をテーマにしたヒップホップナンバー「Sunsun birthday」、シックな手触りのEDMトラックとともに失恋の悲しさを綴った「Lost in Love」、ジャジーなピアノから始まるダンスチューン「Cruisin’」など、トレンドを捉えた質の高い楽曲を収録。日本語をしっかりとビートに乗せ、心地よく(ときに男っぽく)グルーヴさせるメンバーのセンスと技術に魅了される。


 新生Hilcrhymeとして最初のシングル「事実愛 feat. 仲宗根泉(HY)」は、ドラマ『わたし旦那をシェアしてた』(読売テレビ・日本テレビ系)のために制作されたミディアムバラード。繊細なピアノを取り入れたトラックのなかで描かれるのは、大切な人との別れを経験しながらも、決してネガティブにならず、前を向いて歩こうとする女性の姿だ。最大の聴きどころはもちろん、TOCと仲宗根泉(HY)のボーカルの重なり。全編ラップのストイックな構成なのだが、仲宗根の豊かな表現力が加わることで、ラップと歌が有機的に結びついている。TOCがHilcrhyme名義で女性アーティストをフィーチャーしたのは今回が初。デビュー10周年のタイミングで生まれたこの曲は、新たな体制で再スタートを切ったHilcrhymeにとって大きなポイントになりそうだ。(森朋之)