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King & Princeによる主題歌とドラマ・映画の親和性は? 『かぐや様』『花のち晴れ』などから考察

2019年08月27日 10:11  リアルサウンド

リアルサウンド

 8月28日、King & Princeの4thシングル『koi-wazurai』が発売される。表題曲である「koi-wazurai」はメンバーの平野紫耀主演映画『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』の主題歌。これまでもKing & Princeのメンバーが出演するドラマや映画の主題歌になっている楽曲がいくつかある。それらの楽曲と作品の親和性とはどのようなものなのだろうか。例を挙げつつ考えてみたい。


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■「シンデレラガール」×『花のち晴れ~花男 Next Season~』
 記録的大ヒットを収めたKing & Princeのデビューシングルの表題曲「シンデレラガール」。これは、平野が主演を務めた『花のち晴れ~花男 Next Season~』(TBS系)の主題歌だ。同ドラマを一言で言えば、お金持ちのヒーローと庶民のヒロインがすれ違いや障害を乗り越えて両思いになるラブストーリー。平野演じる神楽木晴が、不器用ながらも真っ直ぐに江戸川音(杉咲花)にアプローチしていくストーリーと、同曲の歌詞がどことなくシンクロして聴こえる。平野のソロから始まる曲の出だしも、“神楽木晴が歌ってる感”を際立たせているのではないだろうか。そして歌詞も然ることながら、曲のキラキラしたイメージも少女漫画原作の同作にマッチ。主にオープニングで使われていた同曲だが、ややシリアスなシーンであってもどこか希望を感じることができ、ストーリーが展開していく中で物語にエンジンをかける役割も担っていたのではないだろうか。


■「High On Love!」×『ういらぶ。』
 「High On Love!」は、同じく平野が主演を務めた映画『ういらぶ。』の主題歌。『ういらぶ。』は、平野演じる凛が思いを寄せる幼馴染の優羽(桜井日奈子)に素直になれずすれ違いを繰り返しつつも、最後には心を通じ合わせるという“こじらせラブストーリー”だ。同曲の歌詞を見ると、〈素直じゃない/自分Release/変わり始める未来〉、〈High On Love!/もう離さないよ/デコボコもAlright/受け止めて〉と、ストーリーをなぞるような言葉が紡がれている。また、〈WE LOVE〉というコーラスが繰り返されるのも印象的だ。平野曰く「歌詞の中に『WE LOVE』とありますが、それが『ういらぶ。』に聞こえて、とても盛り上がる楽曲となっています!(引用元:http://welove.asmik-ace.co.jp/news/detail.php?id=20180720-b2l25vqhny)」とのこと。言葉にも映画との親和性がたっぷり詰まっている。さらに、明るくポップなメロディラインも、凛や優羽を始めとする幼馴染グループのほっこりする恋や友情にピッタリ。まさに同作のイメージを形にした曲と言えるだろう。


 2019年9月6日に公開される平野主演の映画『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』 にも、King & Princeの楽曲が主題歌として起用されている。同映画は頭脳明晰な生徒会長・白銀御行(平野)と副会長・四宮かぐや(橋本環奈)が「どう相手に告らせるか」を競いあうストーリーで、少女漫画のような恋愛要素はあるものの、コメディ色が強い作品だ。そのため、「koi-wazurai」のようなキラキラした曲が主題歌になったのを聞きやや驚いたが、アニメ版のオープニングテーマに鈴木雅之を起用した理由を石川達也プロデューサーが語っているのを見て、共通点が見えた。石川プロデューサー曰く「『かぐや様』は恋愛作品なので、まずオープニング楽曲をどうしようかと考えたときに『ラヴソングにしたい』という答えにたどり着いたんです。そして、『かぐや様』の持つ“ギャップ”や“ドラマ”などのイメージを、ラヴソングとして表現していただくのであれば『“ラヴソングの王様”とも呼ばれる鈴木さんしかいないだろう!』と(引用元:アニメ!アニメ!)」。つまり、ラブコメではなく恋愛作品と捉えると、ポップでキラキラしつつもどこか切なさのある「koi-wazurai」は、『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』 という作品にピッタリだと言える。映画がどこまで恋愛要素を強めて描かれるのかも、併せて注目したい。


 この3曲以外にも、King & Princeの楽曲の多くがタイアップ曲となっている。曲を楽しみながらも、その曲がタイアップに選ばれた意味を考えてみるのも楽しみ方のひとつではないだろうか。