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PS5の本体デザインがリーク デザインコンセプトは「レトロフューチャー」?

2019年08月27日 07:41  リアルサウンド

リアルサウンド

THE GAMER「The Playstation 5 Model Leaked, And We Have Some Opinions」より

 ソニーがPlayStation 5(以下、PS5)を開発中であることは既報の通りだが、ついに本体デザインがリークされた。そのデザインは、Apple製品に見られるような無駄を省いたクールさよりは、前世紀のゲーマーが夢想しそうな特徴的なもののようだ。


(参考:PS5は2020年11月に約5万円でリリース? スマホをコントローラにできる可能性も浮上


・デザインは「バズ・ライトイヤーのバックパック」に類似?

 総合メディア『GBR』は22日、PS5の本体デザインがリークされたことを報じた。このデザインの情報源は、ブラジルで発見されたソニーの特許文書である。発見された特許文書だけではPS5のデザインと結論づけることは難しかった。しかし、レースゲーム開発で有名でPS4に『DiRT4』をリリースしているイギリスのゲームスタジオCodemasters所属の開発者Matthew Stott氏が、そのデザインのデバイスはPS5対応ゲームの開発キットでありスタジオがすでに持っている、とツイートしたことでリークの信憑性が高まった(ツイート自体はすでに削除されている)。このデザイン画像に関してはTwitterのスレッドが立ち、多くの海外ゲーム開発者が活発に議論している。


 ゲームメディア『THE GAMER』が21日に報じた記事では、同メディアのゲームライターのPS5本体デザインに対するコメントがまとめられている。リークされた本体デザインで特徴的なのは、本体内部のチップを冷却するために設けられたと考えられる換気口である。また、その換気口部分がローマ数字で5を意味する「V」のようになっている。こうした外見に対して、ゲームライターたちは「(アニメ『トイ・ストーリー』シリーズに登場する)バズ・ライトイヤーのバックパックのようだ」「90年代のゲーム雑誌に掲載されたような偽のプロトタイプ」などと評し、クールさよりは「レトロな未来」を感じたことを強調している。


 なお、実際にリリースされるPS5は今回リークされた本体デザインを採用しない可能性も大いにあることに留意すべきである。


・クロスプラットフォーム対応が広がる?

 PS5の本体デザインがリークされた同じ時期にあたる21日、ゲームメディア『Event Hubs』はPS5タイトルではクロスプラットフォーム対応が拡大すると報じた。記事によると、ソニーワールドワイドスタジオの社長を務めるShawn Layden氏が一部のファーストパーティ・タイトルが今後はほかのゲーム機でもプレイできるようになるクロスプラットフォーム対応となることを示唆したのだ。


 ソニーのファーストパーティ・タイトルとして想定されているのは『アンチャーテッド』シリーズ、『ゴッド・オブ・ウォー』シリーズといった人気シリーズである。こうした人気シリーズがクロスプラットフォーム対応した場合、プレイヤー数の増加は見込めるものもPS5の販売台数には貢献しないかも知れない。


 『Event Hubs』の記事では、対応するプラットフォームとしてGoogle Stadiaの名前を挙げている。しかしながら、ソニーがPS5タイトルをStadiaでもプレイ可能とするかどうかは疑わしいものがある。というのも、ゲーム機に依存せずに高品質なゲームを配信するStadiaは既存のゲーム機ビジネスの枠組みを解体するポテンシャルを秘めているからだ。既存ゲーム機ビジネスをけん引してきたソニーが、最大のライバルであるStadiaに易々と自社の財産を提供するとは考えにくい。


・発売は2021年まで、『FF7リメイク』も対応タイトルに?

 PS5本体デザインのリーク直後の23日、ゲームメディア『GAME SPOT』は現時点でPS5に関してわかっていることのまとめ記事を公開した。まずPS5のリリース時期だが、ソニー・インタラクティブ・エンターテインメントのCEOであるJohn Kodera氏が2018年に発言した「3年はない」という言葉にもとづけば、2021年までにはリリースされると見られる。逆に言えば、2019年はまずないだろう。


 つぎにPS5に価格であるが同ゲーム機はPS4より性能が向上するものも、同ゲーム機の開発を率いているリード・アーキテクトMark Cerny氏が「ゲーマーにアピールできるメーカー希望小売価格になると信じています」と発言していることから、PS4の価格(500GBモデルで29,980円)から大きく上昇することはないだろう。


 PS5本体でPS4のゲームがプレイできる後方互換性については、間違いなく実装されるだろう。PS4のゲームをPS5でプレイした場合、ローディング時間が大幅に短縮すると考えられているので、PS5専用タイトルがまだ充実していない時期であってもPS5を購入する価値はあると言える。またハードウェア性能は、4K画質をサポートし、PSVRにも対応するようだ。


 最後に対応タイトルだが、スクウェア・エニックスの社長兼CEOの松田洋祐氏が今年のE3におけるインタビューで「『ファイナルファンタジーⅦリメイク』がPS5でもプレイできるようになるだろう」とコメントしている。もっとも、同タイトルの公式サイトにはPS5対応とは明記されていない。


 以上のようにPS5はデザインがやや癖が強いものも、おそらくはプレイヤーを満足させるものとしてリリースされることが期待できるだろう。


(吉本幸記)