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『ラピライ』単独イベントがVR・ホログラフで見せた、輝かしい“オルケストラ”の世界

2019年08月27日 07:41  リアルサウンド

リアルサウンド

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 “魔法×アイドル”をテーマにしたメディアミックスプロジェクト『ラピスリライツ ~この世界のアイドルは魔法が使える~』(以下、ラピライ)の単独イベント『私たちのPrelude』が、8月18日に神奈川・DMM VR THEATER YOKOHAMAで開催された。キャスト20名が出演、各ユニットの楽曲全9曲を披露したオルケストラ(ライブ)は、VRやホログラフの技術を駆使した演出で彩られ、そのキラキラ感はまさしく魔法。個性豊かなキャラクターと、ラピライの世界が表現されたオルケストラでファンを魅了した。


(参考:『オンゲキ』各ユニットが1stライブで見せた“特別なコンテンツ”への成長


・6ユニットがVRの魔法で楽曲を披露
 「きゃっるる~ん♪」「ハロハロー★」との決めゼリフで会場を沸かせたデュオの“Sadistic★Candy”。アッパーでキャッチーなサビメロがクセになるハイテンションナンバー「Are many chance!!!」が繰り出されると、2人の周りにはキャンディがデザインされたポップなグラフィックが映し出される。まるでMVの中に紛れ込んでしまったような感覚が広がった。


 “この花は乙女”は、三姉妹の和テイスト・ロックユニット。「命短し、撩乱乙女」はアッパーのロックチューンで、バンドサウンドに混じって三味線や鼓の音がミックスされているのがポイント。着物をアレンジした衣装も艶やかで、扇子を使ったパフォーマンスでも魅せる。和の雰囲気たっぷりの映像に、3人の名前に由来した花びらや葉がパッと舞い散る演出がステージを華やかに彩った。


 “シュガーポケッツ”は、「シャノワール」を披露した。「みんなのハートを盗んであげる!」という決めゼリフで始まったパフォーマンスは、実にキュート。ポップなサウンドに合わせてかわいらしい歌声を聴かせ、手描き風イラストがステージを彩る。彼女たちの動きに合わせてハートマークが浮かび上がる演出もあり、最後は猫のポーズでキメると会場は大歓声に沸いた。


 亜人の4人組“IV KLORE”は、ゴシックな世界観で観客を魅了した。彼女たちが歌う「禁忌の寓話(メルヘン)」は、耽美と退廃が交錯するヨーロピアンなサウンドで、歌謡曲的なキャッチーさを持ったサビメロが秀逸。洋館、月、時計や歯車、鎖といったモチーフの映像がパフォーマンスを引き立て、4人の動きに合わせて薔薇が舞い散る演出は見応えがあった。


 セクシーさのあるダンスとボーカルで、魅せて聴かせた“supernova”。「RISE」はEDMナンバーで、四つ打ちのビートにエスニックなシンセのフレーズが鳴り響く。R&B調のメロディがエモーショナルで、それに合わせて繰り広げられていくダンスが実にテクニカル。他のユニットにはないクールさで、ファンを魅了した。


 最後に王道アイドルユニットの5人組“LiGHTs”が登場。「Your Lights」は、弱さを抱えながら前に進むポジティブソングで、5人の個性的な歌声とハーモニーを聴かせる。〈Yeah!〉という合いの手は、客席も一緒に歌って会場が1つになった。手の動きに合わせて軌跡を描く、5色の光に観客は見入ってステージに没入した。


・感謝を込めた“歌声の魔法”
 ライブパートの後半戦は、LiGHTsが「ポラリス」、supernovaが「Trinity」を披露した。「ポラリス」は、爽やかさと切なさが同居したナンバー。手の動きに合わせて動く光は、まるで『ハリーポッター』の世界のよう。「Trinity」は撮影OKということで、多くの観客がカメラを片手に声援を送った。曲のモチーフである三角形のデザインがデジタルビートに合わせてステージを彩り、会場がまるごと宇宙空間にトリップしたような感覚は、VRとホログラフィックを駆使したステージならではだ。


 アンコールは、20人がステージに勢揃いしてユニットごとに挨拶。LiGHTsのティアラが感極まって涙ぐみ、それをメンバーが支える場面は、ファンの胸を熱くさせた。その後20人全員で歌った「私の名は、光。」は、抱きしめたくなるような切なさが溢れるミディアムナンバー。ここでは客席の照明も付き、メンバーはステージ上と客席に広がって歌い、あえてVRやホログラフ演出を控え、“歌声という魔法”で思いを届けた。感情の籠もった20人の熱い歌からは、感謝の思いがシンプルに伝わり、会場には感動の輪が広がった。


 『ラピライ』は、KLabGamesとKADOKAWAによって2018年に始動。これまでに生放送番組『ラピスリライツ魔法放送部』の配信やSNSなど、インターネットを中心に活動してきた。この日は、『電撃大王』12月号からコミカライズ連載がスタートすること、キャラクターによる『VR魔法ライブ ~First Magic Act~ in cluster』が定期開催されることを発表。現在はオンラインゲーム化が進行中で、ノベライズやアニメ化も予定されている。さらに楽曲MVの累計再生数が100万回を越えれば、CDデビューが決定する『100万再生CDデビュープロジェクト ~みんなの応援で魔法を叶える!~』も始動した。


 アイドルのステージを、ホログラフ技術や最新のVRという魔法で彩るラピライのオルケストラ。他では決して味わえないライブ体験に、今後の展開への期待がさらに高まった。


(榑林史章)