ピレリのレーシングマネージャーを務めるマリオ・イゾラは、2019年シーズン序盤にメルセデスF1が圧倒的強さを発揮した理由は、今季ピレリがトレッドの薄いタイヤを導入したことにあるという意見を退けた。
2018年シーズンに起きたオーバーヒートとブリスターの問題に対処するために、ピレリは2018年の数戦ではトレッドの構造を薄くすることを決定し、今シーズンではそれを標準仕様とした。
メルセデスW10はこの仕様に非常によく適応し、序盤に8連勝を飾ったため、一部のチームはタイヤをピレリの2018年標準仕様に戻すよう働きかけた。
イゾラは、今季のコンパウンドで変更されたのはトレッドの厚みだけではないと主張し、メルセデスは単にライバルチームよりも優れたパッケージを作り出したに過ぎないと示唆した。
「メルセデスが非常に速いことは明らかだ」とイゾラは『RaceFans.net』に語った。
「だが少しの間メルセデスのことを忘れてみてほしい。マクラーレンについてはどうだろう? トロロッソやルノーも時に速さを見せている。つまり他にもタイヤを理解できているチームがあるということだ」
「これまでの年を振り返れば、シーズン序盤では常に一部のチームが他よりも早くタイヤを理解しなければならなかった」
「時にはそれがメルセデスであり、レッドブルであり、フェラーリやその他のチームだった」
イゾラは、昨年薄いトレッドのタイヤが使用されたスペインGP、フランスGP、イギリスGPの3戦では、明らかにメルセデスが優勢だったという意見に反論した。
「バルセロナではメルセデスが優位にあった」とイゾラは説明した。
「だが、そのレース後に行われたインシーズンテストでは、セバスチャン(・ベッテル)が標準トレッドと薄いトレッドの両方のタイヤをテストし、彼は薄いトレッドの方が良いと言っていた。私ではなく、彼がそう言ったのだ」
「だからバルセロナで薄いトレッドのタイヤの方が良かったのは確かだ。メルセデスは関係ない」
「ポール・リカールでのレースでは、あるマシンが他のマシンよりずば抜けて速いという状況は見られなかった。そしてシルバーストンでは、メルセデスは優勝していない」
「だから、薄いトレッドが特定のマシンにとって明らかに有利だったとは言い難い」