WRC世界ラリー選手権第10戦ドイツは8月25日、デイ4のSS16~19が行われ、初日から首位を守ったオット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)が大量リードのまま優勝。ラリー・ドイチェランド3連覇を果たした。トヨタはクリス・ミーク(トヨタ・ヤリスWRC)が2位、ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)も3位につけ、今大会の表彰台を独占する歴史的勝利を飾った。
22日に開幕したラリー・ドイチェランドの競技最終日、デイ4は全長28.06kmのSS16/18、全長11.69kmのSS17/19という計4本のSSで争われた。
このデイ4も総合首位で迎えたタナクは、前日のSS15終了時点で後続に32.4秒の大量マージンを築いていることから無理はせず。朝のSS16から7番手、5番手、8番手と勝利に向けた走りに徹した。
そのタナクの援護をしたいミークとラトバラも、SS17でラトバラがベストを記録するも無理なプッシュはせずにポジションをキープ。SS18終了時点でミークがタナクと25.1秒差の2番手、ラトバラは40.7秒遅れの3番手につけた。
いよいよ迎えた最終パワーステージのSS19でもトヨタ勢は余計なトラブル、アクシデントを避けるドライビングを徹底。トップのタナクを含めミーク、ラトバラの全員が無事にフィニッシュラインをくぐった。
この結果、タナクが20.8秒のリードを守って今季5度目の優勝を飾り、ミークが2位に。また、ラトバラがこれに続いたことで、トヨタ勢が上位ワン・ツー・スリーを占め、ラリー・ドイチェランドのポディウムを独占する“完全勝利”を成し遂げている。
前日から追い上げをみせていたダニ・ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC)は最終SS前までに、ラトバラと9.8秒差にまで迫ったものの逆転には至らず。そのヒュンダイ勢最上位のソルドの後方5位にデイ3までタナクと首位を争っていたティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)が続いた。なお、ヌービルはパワーステージ最速タイムを記録し、ボーナスの5ポイントを獲得した。
総合6位以下はエサペッカ・ラッピ(シトロエンC3 WRC)、アンドレアス・ミケルセン(ヒュンダイi20クーペWRC)が続き、この週末クルマのコントロールに苦労し続けたセバスチャン・オジエ(シトロエンC3 WRC)はまさかの8位という結果に終わった。Mスポーツ・フォードはガス・グリーンスミス(フォード・フィエスタWRC)の9位が最上位だ。
トヨタ育成ドライバーとして、今回初めてトヨタ・ヤリスWRCでWRCトップクラスに参戦した勝田は最終日も堅実な走りで4本のSSを走破。週末の全19SSを走りきり、初参戦で見事完走を果たした。
ポイントランキングではタナクがドライバーズポイントを205に伸ばし、170ポイントで2位につけるヌービルとの差を拡大。王者オジエとは42ポイント差とした。また、マニュファクチャラーズランキングでは、今戦を終えて289ポイントとした首位ヒュンダイに対して、2位のトヨタが8ポイント差に迫った。
WRCの次戦第11戦9月12~15日、トルコで開催される。同ラウンドは第9戦フィンランド以来、2戦ぶりのグラベル(未舗装路)イベントだ。