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子どもを吹っ飛ばした「ぶつかり男」が許せない…対処法はないの?

2019年08月25日 10:31  弁護士ドットコム

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「日中に子どもと2人で日本橋の細道を歩いていた所、十字路を渡ろうとした私達に、横からすごい勢いでぶつかって来た男がいました」。街中で男性からぶつかられたという30代女性が、弁護士ドットコムのLINEに体験談を寄せました。


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女性は2019年3月ごろ、当時年長の子どもと東京都内の十字路をわたっていました。ちょうど渡りきろうとしたところ、左側から歩道を歩いてきた男性が「ドン!」と女性の左半身にぶつかり、次に子どもも吹っ飛ばして、早歩きで進んで行きました。



女性は追いかけ声をかけましたが、男性は一度も振り向くことなく、そのまま去って行きました。



「歩いているのはその男と私達だけで、明らかにわざとぶつかって来た感じが、本当今思い出しても怖いです」と振り返ります。



「ぶつかられた方も、一瞬判断が出来ない。犯罪行為ギリギリだと言う事を分かっての悪質な行為で、女性や子供だけを狙う卑劣な行動にずっとモヤモヤとしていました」



●「わざとぶつかる行為」自体は、罪に問えるの?

街中や駅で歩いていると、「わざとぶつかってくる人」がいるーー。2018年5月ごろには、「#わざとぶつかる人」と言うTwitterハッシュタグで、男性にぶつかられたという女性の体験談が相次いで呟かれました。



「わざとぶつかる行為」自体は、罪に問えるのでしょうか。坂野真一弁護士は「暴行罪(刑法208条)に該当する可能性があります」と指摘します。



また、わざとぶつかられて、負傷してしまった場合、「怪我を負わせた側は傷害罪(刑法204条)に該当する可能性があります。わざとではなく不注意でぶつかって怪我を負わせた場合でも過失傷害罪(刑法209条1項)に該当すると考えられる」といいます。



●その場でできる「証拠収集」は?

わざとぶつかられた場合、その場で何もできずに終わってしまう人も多いかもしれません。法的な手段は取れるのでしょうか。



坂野真一弁護士は「刑事責任を問うにも、民事責任を問うにも基本的には証拠が必要となります」と話します。ただ、常に記録する機器を持ち歩くことは、なかなかできません。



その場でできることとして、坂野弁護士は「目撃者の確保、被害にあった証拠写真、加害者の写真、現場が写っている防犯カメラの映像の提供を求めるなどの手段により証拠・立証手段を確保することが考えられる」と言います。



また、警察に届け出ることも大事だそうです。



「届け出が重なれば、現場付近の警戒を厳重にしてくれたり、場合によっては捜査を開始してくれる可能性も出てきますので、犯人の特徴をできるだけ明らかにして、警察には届けておいた方が良いでしょう」



過去には、酔っぱらいが、電車を待っていた女性にぶつかり、線路に転落した女性が死亡した事件がありました。この事件では、重過失致死罪が適用され、「被告人の過失は極めて重大かつ悪質」として執行猶予なしの実刑判決が下されました(東京地判昭和56年3月11日)。



こうした裁判例もあることから、坂野弁護士は「路上でのぶつかり行為も、自動車の往来する公道など状況においては相当危険なので、上記裁判例のように重い刑事責任が問われる可能性もある」を警鐘を鳴らします。



「人間の身体は不意を突かれると相当もろい場合もあり、他人にわざとぶつかる行為は極めて危険な行為です。



そのような被害を見かけたら、被害者に協力してあげるなどして、みんなで協力して同種の被害を防ぎ、安全な社会に近づけていくことを考えても良いかもしれません」