2019年シーズン前半戦を終え圧倒的に優位な状態でタイトル争いを進めているメルセデス。しかし、フェラーリはあと一歩のところで2度の優勝を逃し、レッドブル・ホンダに関しても2勝を挙げており、後半戦も目が離せない戦いになるだろう。今回はトップ3チームにトロロッソを加えた全4チームの前半戦を採点。第4回目はトロロッソ・ホンダだ。
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トロロッソ・ホンダ:70点
ダニール・クビアト;71点/総合11位
アレックス・アルボン;72点/総合9位
前半戦のトロロッソ・ホンダといえば、第11戦ドイツGPでのクビアトの3位表彰台が大きなトピックだろう。何しろこの1戦で挙げた23ポイントは、全獲得ポイントのほぼ半分に相当するのだから。
一方でこの結果が、このチームのそれまでの凡庸なパフォーマンスを覆い隠してしまったことも否定できまい。
確かにトロロッソ・ホンダの車体とパワーユニットは高い信頼性を示し、多くのレースで入賞を重ねた。しかしその大部分は、8位~10位の位置にすぎなかった。
さらに言えばドライバーふたりによるダブル入賞は、第6戦モナコGPとドイツの2回にすぎない。そして予選で揃ってQ3に進んだのは、モナコの1回だけである。
これではレースで上位入賞を狙うことが、いっそうむずかしくなってしまう。今後シーズン後半で、コンストラクターズ選手権5位をキープすることはほぼ不可能と思われる。
フェラーリで1年間シミュレーター修行を重ねたダニール・クビアトは、明らかに成熟したドライバーとなった。
アグレッシブなドライビングは変わらないが、2年前までなら確実にライバルたちと接触し、ハンガリーでのアレクサンダー・アルボン相手の見事なオーバーテイクも、同士討ちに終わっていたことだろう。
それだけにピエール・ガスリーがレッドブルから更迭されれば、後任は自分しかいないと思っていたはず。アルボンに先を越された悔しさを、果たしてプラスのエネルギーに換えることができるだろうか。
クビアト、アルボンのコンビは、今季の全10チーム中最も均衡のとれたドライバーラインナップと言っていいだろう。予選での両者の勝敗は6対6。Q3進出はアルボンの2回に対してクビアトの3回。
Q1落ちでは両者の成績は逆転し、さらにレースではロシアンルーレットの様相の濃かったドイツGPを除けば、新人アルボンはベテランのクビアトの4ポイント差まで肉薄していた。
確かに第3戦中国GPと第12戦ハンガリーGPでは、フリー走行で大クラッシュを喫している。一方で予選とレースでは、非難すべきミスは犯していない。クビアトが3位を射止めたドイツにしても、16番グリッドからスタートして1周目には4番手に躍進していた。
チームがもっと早くピットインさせていたら、表彰台に上がっていたのはアルボンだった可能性が高い。いずれにしても雨のドイツをノーミスで走りきったのは、十分に賞賛に値する。その意味ではレッドブルへの昇格は、決して過分な人事ではない。