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鈴鹿10時間:KCMG、予選13番手から上位を狙う「ここまでは全員がいい仕事をしている」と千代

2019年08月24日 21:01  AUTOSPORT web

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KCMGの35号車ニッサンGT-RニスモGT3を駆る千代勝正
2019第48回サマーエンデュランス『BHオークション SMBC 鈴鹿10時間耐久レース』は8月24日、鈴鹿サーキットでポールシッターを決めるポールシュートアウトが行われた。プラクティスから好調だったKCMGの千代勝正/ジョシュ・バードン/松田次生組35号車ニッサンGT-RニスモGT3は、ポールシュートアウトの結果13番手から翌日の決勝を戦うことになった。

 7月に行われたスパ24時間では、予選では予選ではシュートアウトのコースイン時のタイミングがわずかにずれペナルティを課され、決勝では序盤不運な接触でマシン修復に時間をとられてしまうなど、苦しい戦いを強いられたKCMGの35号車GT-R。とはいえ、レースペースも良かったことから、長年この規定のレースを経験している千代、そしてスパで多くのことを学んだ次生とも、この鈴鹿は大いに期待をするレースとなっていた。

 そんななか、プラクティスから35号車GT-Rは速さをみせる。常にトップ10圏内につける順位につけており、千代は「順調にプラクティスは進んでいて、実際にトップ10圏内で戦える実感はありました」という。ただ、予選ではライバルが思わぬスピードアップを果たすのはスパ24時間の際も同じ。やはり今回の鈴鹿10時間でも、ライバルはアグレッシブなアタックでタイムを削りとってきた。

「このレースでは予選ではみんながタイムも上げてくる。今回も世界レベルの予選だったと思います」と千代は振り返った。

 千代はドライバー1の予選を担当したが、赤旗中断がアタック周に重なってしまい、再開後の3分強のなかで再アタックを強いられた。「1周だけのチャンスになってしまい、ニュータイヤのピークも過ぎていましたし、再開後は前とのギャップを作るのにも神経を使いました。1周にまとめるのも大変でしたが、2分02秒台にまとめられたのが良かったです」と千代。

 スパ24時間でも同様だったが、この35号車はドライバー3人が平均的に速いラップを揃えることができる。千代が2分02秒653、バードンが2分02秒210、そして次生が2分02秒661と、今回もタイムをそろえ予選総合で5番手につけた。

 ただ、ポールシュートアウトではライバルもタイムを上げるなか、次生が2分01秒443をマークするも、最終的なグリッドは13番手となった。ふた桁順位ではあるが、千代は決勝に向けて「13番手という結果は、良かったとも悪かったとも言えない」と語った。

「ジョシュも次生さんもアベレージが揃っていましたが、クルマのピークを出すようなシチュエーションだと、他のマニュファクチャラーが強いです。トップと1秒落ちというのもスパと同じなので、これが今の僕たちの実力だったかもしれません」と千代。

「ただそういう意味では、ここまでは全員がいい仕事をしていると思っています」

 2018年モデルのニッサンGT-RニスモGT3は、「何もなければ速い」と誰もが口をそろえるマシンだ。GT-Rの母国日本で、ライバルに対しどんな戦いをみせるのか、決勝を大いに楽しみにしたいところだ。