2019年シーズン前半戦を終え圧倒的に優位な状態でタイトル争いを進めているメルセデス。しかし、フェラーリはあと一歩のところで2度の優勝を逃し、レッドブル・ホンダに関しても2勝を挙げており、後半戦も目が離せない戦いになるだろう。今回はトップ3チームにトロロッソを加えた全4チームの前半戦を採点。第3回目はフェラーリだ。
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フェラーリ:60点
セバスチアン・ベッテル:75点/総合7位
シャルル・ルクレール:80点/総合5位
冬のテストで圧倒的な速さを披露したフェラーリだが、前半12戦で1勝もできないまま夏休みを迎えた。
未勝利の理由は、いくつもあった。ドライバーのミス、稚拙な戦略、ピットストップでの失態。そして何より、何度も繰り返されたメカニカルトラブル。シーズン中の開発も決して順調とは言えず、今やマシンパッケージの純粋なパフォーマンスは、メルセデスはもちろんのことレッドブルにも劣っていると見ていい。
そんな前半戦を振り返ったベッテルは、自らの評価を50点と厳しく採点した。残念ながらわれわれも、それに同意せざるを得ない。
確かにレッドブルリングとホッケンハイムではマシントラブルの犠牲になり、一方厳しい状況で光る走りを見せたレースもいくつかあった。
しかしシーズン前半を俯瞰して、四度のタイトルを獲得した世界チャンピオンにふさわしいパフォーマンスを披露したかと言えば、否定せざるを得ない。
ルイス・ハミルトンへのアタック失敗で表彰台の可能性を失った第2戦バーレーンGP、予選で失敗した第8戦フランスGP、そして第10戦イギリスGPではマックス・フェルスタッペンに追突してしまう。第7戦カナダGPがもっとも勝利に近かったが、猛追するハミルトンのプレッシャーに耐えられなかった。
首位周回数はわずか69周で(うち63周がカナダGP)、ルクレールのほぼ2分の1でしかない。シーズン後半、ポイント獲得数で後塵を配する可能性も十分にありそうだ。
移籍1年目からベッテルをしのぐ速さを披露するシャルル・ルクレールだが、メカトラブルやチームの不可解な戦略の犠牲となって、その速さがなかなか結果に反映されなかった。それによる焦りもあるのだろう。
雨の第11戦ドイツGP、そして第4戦アゼルバイジャンGPと第12戦ハンガリーGPの予選と、自らもミスを重ねている。