IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権に参戦しているコア・オートスポーツのオーナー兼ドライバーであるジョナサン・ベネットは8月22日、チームのホームページで自身のモータースポーツ活動にピリオドを打つことを明らかにした。
先週、Sportscar365が報じたように、リジェ製LMP2カーをベースに開発されたニッサンDPiを使用して、北米耐久シリーズのトッププロトタイプカテゴリーに参戦しているコア・オートスポーツは今季限りでその活動を終了させる可能性が高い。
チームのサポーターとパートナー、そしてシリーズに向けたメッセージのなかで、ベネットは10月10~12日、ロード・アトランタで行われる最終戦プチ・ル・マンを最後にレーシングカーのコクピットから降りる決心を固めたと説明した。
また、このアナウンスに合わせてコア・オートスポーツのスポークスマンは、オーナーの引退がチームのニッサンDPiプログラムの終了を意味することを認めている。
現在54歳のベネットはオレカ07・ギブソンで参戦した2018年シーズンの成功を受けて、プロトタイプクラスから分離し新たな最高峰カテゴリーとなったDPiクラスへの参入を目指したが、DPiマシンを手に入れることができず一度はその野望を諦めた。
しかし、彼はエクストリーム・スピード・モータースポーツがシリーズから撤退したタイミングでニッサンDPiを購入。晴れてシリーズ最高峰クラスへの参戦を実現するに至った。
だが、昨シーズン2勝を挙げシリーズランキング2位となったベネットをもってしても、ドライバーラインアップの大部分をプロが占めるカテゴリーの中では思うような結果を残すことはできず。ジェントルマンドライバーである彼と、彼の長年のパートナーであるコリン・ブラウンの2019年シーズンベストリザルトは、開幕戦デイトナ24時間レースでの総合4位に留まっている。
そんなベネットは引退表明のなかで「近い将来、レースに挑む計画はない」としているが、モータースポーツから完全に引退するつもりはなく、「ドアを少し開けておく」と述べた。
「私はこれまで、モータースポーツに情熱を注いでいる多くの人の夢を生きてきた。そして、ここからはレーシングカーの外からレースを振り返り、楽しむ時間だ」
「IMSAの気品あふれるスタイルと、ワールドクラスの舞台を提供してくれたことに感謝している」
「(ドライバーとして)2019年シーズンを完了し、来季はコア・オートスポーツのチームオーナーとして、素晴らしいパートナーであるポルシェモータースポーツとGTル・マン(GTLM)クラスのチャンピオンを目指して、シリーズに復帰することを楽しみにしているよ」
ベネットがオーナーを務めるチームが運営するポルシェGTチームは2019年シーズンの第9戦まで終えた段階で2台のポルシェ911 RSRが合計5勝をマーク。912号車を駆るアール・バンバーとローレンス・ファントールがポイントランキング首位に立っている。また、来シーズンは今年6月にグッドウッドでお披露目された新型ポルシェ911 RSRを北米シリーズに投入する予定だ。
なお、コア・オートスポーツの離脱によって最高峰カテゴリーはこれまでの4メーカーからキャデラック、マツダ、アキュラの3メーカーにブランド数を減らすことになる。