2019年08月23日 17:12 リアルサウンド
8月23日放送の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)にて、GENERATIONS from EXILE TRIBE(以下、GENERATIONS)が新曲「DREAMERS」を披露する。
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3カ月連続リリース第2弾であり20枚目のシングルとなる本作。同曲のMVは「もし自分がGENERATIONSにならなかったら」をテーマに描かれる7つの青春ストーリーになっており、メンバーそれぞれが主演を務めている。11分超えのドラマ仕立ての映像では、仕事、就活、プロポーズなど、それぞれが抱える問題に悩み傷つきながらも、日常のささやかなあたたかさに触れ一歩踏み出していく若者たちを描いている。本稿では、各ストーリーを紹介していきながら、MVが発するメッセージを考察していきたい。
白濱亜嵐は短距離走専門の陸上選手に。ストイックに練習に励むも思うようにタイムが伸びず、コーチから引退を考えた方がいいとまで言われてしまう。そんな葛藤も知らず学生時代の同級生には「いいよな。お前は才能があって、好きな陸上やってさ。ただ走ってるだけでいいもんな」と心無い一言を言われてしまう。そんな日の夜、母親からの手紙を読み、もう一度競技に打ち込み始める。
片寄涼太はパティシエ4年目。仕事終わりに夜な夜な新作スイーツ作りに励む片寄は、彼女に結婚を申し込もうと考えていた。ある日、自分の作ったケーキを上司に褒められたことで自信をつけ、意を決して彼女にプロポーズ。完成したスイーツを持って、彼女の実家である和菓子屋に挨拶に行く。
数原龍友はどうやら大工という設定のようだ。建築現場で汗を流し、不器用ながらも仲間たちと共にビル建設に励む日々。そんな数原を見守っていた親方から職長になることを勧められ、仲間たちを引っ張っていく頼もしい存在へと成長していく。
小森隼はバンドのギタリストだ。かつては勢いがあり仲が良かったバンドだが、観客は日々減少し、楽屋ではメンバーと対立、ボーカルは「バンドをやめる」と出ていってしまう。帰りに家の前にギターを捨て夢を諦めようとするも、翌日、寝ているところに母親がそっとそのギターを部屋に戻す。陰ながら自分を応援してくれる母親に背中を押された小森は、心を入れ替えることに。そしてライブハウスには対立した仲間の姿が。二人は和解し、再びバンド活動に励んでいく。
佐野玲於は就活中のコンビニ店員。同級生たちは就職先が次々と決まっているなか、佐野はこれといった夢もなくコンビニのバイトとして働き、すっかり取り残されている状況だ。レジに並んでいた常連客に「なんで俺だけ、みんなと同じじゃないんですかね?」と愚痴をこぼすと、「同じじゃなくていいんじゃない、頑張れ」と言われ、ハッとする主人公の様子が描かれる。
関口メンディーはデパートの屋上で行われるヒーローショーの戦闘員に。ステージではミスばかりするドジなヒーローを必死にフォローしているが、子供たちが握手を求めるのはいつもヒーロー。今は脇役にまわっているものの、かつては大人気の子役として活躍しておりヒーロー側を演じていたのだった。誰も頑張りを認めてくれないと嘆いていたある日、一人の男の子が「お兄さん」と言って握手を求める。そんな男の子に、関口は「よろしく」と不器用に手を握り返すのだった。
中務裕太は制作会社に勤めるADだ。上司に怒られながらも、後輩ADと共に街角インタビューをするのに声をかけるもうまくいかない。そんなときに路上で漫才をしている2人組を見かけ、自分自身も学生時代にクラスで漫才をして沸かせていたこと思い出す。そんな思い出と後輩の頑張りが重ね合わさり、改めて目の前の仕事に向き合おうと立ち上がる。
「DREAMERS」では、曲中に〈起と承と転結になるように〉とあるように、夢に辿り着けるまでその道を走り続けようというメッセージが発せられている。目指すものや立ち向かう壁は人それぞれだとしても、夢に向かって必死に頑張る姿勢はどれも美しい。同曲が伝えたいことはそこにあるのではないだろうか。
また、GENERATIONSも同様に、いろんな壁を必死に乗り越えてきたからこそ今がある。そんな彼らが夢について歌うとき、聴き手の心を揺さぶる説得力を発揮するのだ。また、MVでは葛藤や挫折だけでなくその先にある希望も丁寧に描かれている。夢を追う若者の背中をそっと押してくれると同時に、上の世代にとっては“あんな時代もあったな”と懐かしく感じることだろう。
「DREAMERS」の冒頭では〈題名をつけて君だけの物語〉という一節がある。つまりどんな人生や仕事であっても誰もが物語の主人公であるということなのだ。同曲のMVが、一つの物語に絞らずいくつもの視点から描かれているところからもそう感じてならない。
「DREAMERS」はGENERATIONSを代表する応援ソングだ。今回の『ミュージックステーション』をきっかけに、夢を持つ/持たない関係なく全ての人に彼らの思いが届くのではないだろうか。(本 手)