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WRCドイツ:サーキットレースのような「普通ではない1日」を、好調タナクが首位で終える

2019年08月23日 17:12  AUTOSPORT web

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エサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)
8月22日、WRC世界ラリー選手権第10戦ドイツの競技1日目、デイ1のSS1がドイツ南西部のゼンクト・ヴェンデル・ランドで行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTはエースのオット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)が総合首位に。僚友のクリス・ミーク(トヨタ・ヤリスWRC)は総合5位、ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)が総合6番手につけた。

 22日に開幕したラリー・ドイチェランドは第4戦フランス以来、約5カ月ぶりに行われるターマック(舗装路)イベント。その初日に実施されたシェイクダウンは全長5.2kmのSS1とまったく同じコースで行われた。

 このシェイクダウンで2番手タイムを記録したタナクはセレモニアルスタート後、19時過ぎにスタートしたSS1で全体トップタイムとなる2分39秒4を記録。上位陣は予想どおり僅差で並ぶかたちとなったものの、走行初日を首位で終えることに成功している。

「同じ道を何度も繰り返し走り、まるでサーキットでレースをしているようだった」と語るのは、大会連覇と前戦フィンランドからの連勝を狙うタナク。

「それでも、明日以降に走るSSと共通点が多いステージだったので、フィーリングを掴む良い機会になった。シェイクダウンはほんの少し調整を加えただけで済んだし、今晩のSS1でも良い走りができた」

「明日の朝は、先頭走者としてクリーンな路面を走れるので少し有利だと思うし、そのアドバンテージを活かすつもりだ。通常、ドイツではタイム差がつきにくいので、スタート直後からハードに攻める必要があるんだ」

 チームメイトのミークは、タナクから1.4秒遅れての5番手に。ラトバラはそこから0.2秒差の6番手で2日目を迎える。

 また、TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラムの一環として今回、トヨタ・ヤリスWRCで初の最高峰クラスに挑戦する勝田貴元は首位と5秒差の総合11位で初日の走行を終えている。

「シェイクダウンと最初のステージで同じ道を走るのは、ユニークな試みだと思ったよ」とミーク。

「クルマのフィーリングは非常に良く、タイム差も僅かだった。僕はドイツでいつも速かったと思うし、ここまでのところ舗装路でのヤリスWRCのドライビングをエンジョイしているので、明日以降が楽しみだよ」

 ふたりのチームメイトに対してやや遅れをとったラトバラは「グラベルのラリーがしばらく続いた後、ターマックステージを走る時はつねにいろいろな調整が必要になる」とコメント。

「しかし、今朝のシェイクダウンで最初の2回の走行は、非常に良いフィーリングでした。その後、リヤデフのセッティングを少し変更したのだけど、あまり良いフィーリングではなく、今晩最初のステージに向けてセッティングを元に戻したんだ」

「SS1はかなり気をつけて走り、タイムも悪くなかった。前戦フィンランドに続く良い結果を期待している。もし今回もトップ3でフィニッシュできれば完璧だ」

 TOYOTA GAZOO Racing WRTのトミ・マキネン代表はデイ1終了後、次のように述べている。

「今夜最初のステージを、本番前にシェイクダウンで何度も走行するなど、今日はラリードライバーにとって普通ではない1日だった」

「SS1でベストタイムを記録したオット(・タナク)にとっては、とても良いスタートとなった。しかし、ここドイツでは普通のことだが、1日をとおして全ドライバーのタイムに大きな差がつかなかった」

 2日目以降については、「このラリーでは天気の予想が非常に難しい。しかし、今のところ安定しておりドライコンディションのままだと思われるので、きっと例年以上に僅差のタフな戦いになるだろう」と語った。

 競技2日目、デイ2が行われる23日(金)はサービスパークの西側で3本のSSをそれぞれ2回ずつ走行する。各ステージともその舞台の中心はブドウ畑に敷設された農道。道幅が狭く路面のギャップも大きいのが特徴だ。6本のSSの合計距離は101.42km、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は403.8kmとなる。