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『レポマン』『シド・アンド・ナンシー』など8作品を上映 「アレックス・コックス映画祭」開催

2019年08月23日 13:02  リアルサウンド

リアルサウンド

「アレックス・コックス映画祭」

 『レポマン』『シド・アンド・ナンシー』などを代表作に持つ、アレックス・コックスの作品を一挙上映する「アレックス・コックス映画祭」が、9月14日から9月27日まで新宿 K’s cinema にて開催されることが決定した。


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 1954年12月15日英国リヴァプール生まれのコックスは、デビュー作『レポマン』でアメリカでカルト的な人気を獲得する。続いて『シド・アンド・ナンシー』(1986年)で世界中で高い評価を得たコックスは、国籍を超えた活動を見せ、オフビートな風刺精神とシュールな感覚でカルト的な人気に。近年は『レポマン』の姉妹編的な『Repo Chick(原題)』(2009年)、SFの『Bill,the Garactic Hero(原題)』(2014年)、西部劇『Tombstone Rashmon(原題)』(2017年)なども発表している。


 本特集上映では、32年ぶりにスクリーンによみがえる『レポマン』、ゲイリー・オールドマンが出演した『シド・アンド・ナンシー』のほか、マカロニ・ウエスタンへのオマージュを捧げた『ストレート・トゥ・ヘル』、メキシコを舞台に初めて全篇スペイン語で撮った『エル・パトレイロ』、近未来のメガロポリスで起きた謎の連続殺人事件を描いた『デス&コンパス』、ラスヴェガスで生きるギャンブラーと、その複雑な人間模様を描く『ザ・ウィナー/ディレクターズ・カット版』、リヴァプール、ロッテルダム、香港、東京などが舞台となったロードムービー『スリー・ビジネスメン』、B級映画の帝王、ロジャー・コーマンと手を組んだ『サーチャーズ 2.0』の全8本が上映される。


 特集上映開催にあたって、映画評論家の柳下毅一郎からコメントも寄せられた。


■柳下毅一郎(映画批評家/特殊翻訳家)
パンクとはアティチュードであり、決して誰にも妥協しないことだ。
アレックス・コックスが「パンク監督」と呼ばれたのはパンク音楽を聞くからでも、セックス・ピストルズについての映画を作ったからでもない。
彼がつねに権威に抗い、虐げられる者の側に立ち、決して妥協せず、おかげで流れ流れることになっても変わらず意気軒昂として戦いつづけるからである。イギリス、アメリカ、ニカラグア、メキシコ、日本……どこへ行こうとコックスは変わらず戦いつづける。これは三十年間の闘争の記録だ。一度パンクになったら、人は死ぬまでパンクでありつづけるのだ。


(リアルサウンド編集部)