DTMドイツ・ツーリングカー選手権に参戦するBMWモータースポーツ代表のイェンス・マルカルトは、2020年シーズンにカスタマー契約でM4 DTMを走らせるべく、カスタマーチームと「有望な話し合いを進めている」ことを明かした。
DTMでは、2018年シーズンを最後にメルセデスAMGがシリーズでの活動を終了。これを受けて参戦台数を確保するため、プライベーター待遇で参戦するカスタマーチームへ門戸を開く規約変更を実施した。
これにより、2019年シーズンではベルギーの名門チームWRTがアウディスポーツのサポートを受けて参戦を開始したほか、アストンマーティンもR-モータースポーツとのジョイントチームで参戦を開始している。
これに対し、今季はプライベーター支援を見送ったBMWモータースポーツは、「このテーマに対し非常に集中的に取り組んでいる」と、2020年のカスタマーチーム参入へ意欲を示した。
「我々は当初から、2台のマシンを提供する用意があると言い続けてきた。もちろん、それらのマシンはプライベートチームに使用してもらう前提のもので、そのプライベーターはチームオペレーションに関して、完全に独立した活動費用と体制を維持していることが前提となる」と説明するマルカルト。
「昨年のある段階では、実現に向け有望な議論がいくつかあったが、そのいずれもドライバーが何らかの活動資金をもたらすことが前提条件になっていたようだ。それはR-モータースポーツもWRTも同じなんだがね。いずれにせよ、みな同じ案件を追いかけていた、ということだ」
「つまり、最終的にDTMのグリッドに設けられる新たな6つのシート(各陣営2台のプライベーター車両)に対し、我々は2~3の有望な案件を持っていたわけだ。しかしどういうわけか、数字が合っているのにこの方程式は結実しなかった、ということだ」
そのBMWは、現時点でいくつかの有望な潜在カスタマーとなるチームとの協議を進めているというが、具体的なチーム名など詳細は一切明かされていない。
「我々の側としては状況は変わっていない。関心を示してくれたいくつかのチームと非常にいい話しあいを続けており、スポンサー企業やパートナーとチームを維持し、我々が提供する装備を活用できる体制作りや、それを走らせる複数のドライバー候補などを検討しているところだ」と続けたマルカルト。
「我々は本当にいい話しあいを続けているし、現時点で、私はそれを本当に素晴らしい機会だと感じている。BMWとしても、それを推し進めていきたいと思っている」
一方、アウディスポーツの代表を務めるディーター・ガスは、2020年シーズンに向けさらなるカスタマーチームの拡大に関して、本格的な取り組みは進めていないことを明かした。
「正直に言えば、これ以上のカスタマーチームを探していないのが本当のところだ」と答えたガス。
「我々がジョイントしているチームWRTと、DTMの活動における取り組みはまだ始まったばかりだ。そして、この状況にとても満足しているんだ。だからといって、中長期的に扉を閉ざしているわけではない。誰かがそのディスカッションに参加したいと言えば、我々はいつだって前向きだ。ただ、現時点で積極的にリサーチしていない、というだけだ」
R-モータースポーツのチーム代表であるDr.フローリアン・カメルガーも、来る2年目のシーズンに向けてグリッド上のアストンマーティンの台数を増やすことはないだろう、としている。
「将来的には、我々のチームもあと1台か2台は増やせるかもしれないが、2020年に関しては、その可能性は薄いと言わざるを得ないね」