マッティア・ビノットはこれまでの8カ月間、フェラーリのチーム代表という新しい役職に取り組んできた。
ビノットは、1995年からフェラーリに在籍しており、2013年にはエンジン部門の責任者となった。その後、2016年7月27日にジェームズ・アリソンの後任として、フェラーリのチーフテクニカルオフィサーに任命された。2018年は前代表マウリツィオ・アリバベーネとの溝が深まり、2019年の初めに更迭されたアリバベーネに代わる形でチーム代表に就任した。
フェラーリドライバーのセバスチャン・ベッテルは、チーム代表としてのビノットをアリバベーネと比較してどう考えているのだろうか?
「まず初めに、毎年状況は少しずつ違うから、他の人と比較するのは公平ではないと思う」とベッテルは答えた。
「でも、僕たちが新しいリーダーとともに今年達成したことのひとつは、冷静さを保つことであったのは間違いない。状況は単純でも簡単でもなかった」
フェラーリは今シーズンの前半戦のすべてで勝利を逃している。第2戦バーレーンGPではシャルル・ルクレールが勝利まであと一歩というところでパワーユニット(PU/エンジン)のトラブルが発生。第7戦カナダGPでは、ベッテルがトップチェッカーを受けたものの、コースオフを喫した際、ハミルトンの走行を妨害する形でコースに戻ったとして、5秒ペナルティが科され勝利を失っている。
「シーズン前半は僕たちが望んでいたようにはならなかった」
「でもチームの全員が集中しているし、冷静だ。僕たちはできるだけ早く前に進むと固く決心しているけど、一晩のうちに解決できるようなことは、そうそうないよ」
「マシンが序列のどこにつけているのか、そしてどこへ向かう必要があるのか、僕たちはとても深く理解している。これからの数カ月で僕たちが正しい方向に進んでいるのか分かるだろう」
「マッティアは、チームをひとつにまとめて冷静にさせると同時に、どこへ向かっていきたいのかをみんなに気づかせてくれた。とても上手くチームを牽引していると思うよ」
また、今年の初めにチーム代表に就任したビノットは、テクニカルディレクターの仕事も兼務している。
「明らかにマッティアの役割は、彼のこれまでの仕事とは違う」とベッテルは付け加えた。
「でもチームは彼のそばにいるし、僕たちチームは以前とそれほど変わらない。だから大きく変わったことはないし、それはポジティブなことだと思う」
「僕たちは、今いるところから確実に改善しなければならないし、チームとしてより強くなる必要がある。でもマッティアは僕たちに正しい方向を示してくれているよ」