オーストラリアのマウント・パノラマ・サーキットを舞台に開催されるリキモリ・バサースト12時間レースは、来る2020年大会に向けてスポーティングレギュレーションの改正を行う予定だが、ピットストップに関わる規定については変更の実施を遅らせることになった。
オーストラリアを代表するエンデュランスイベントであるバサースト12時間は2016年以降の過去4年間、鈴鹿10時間耐久レースやトタル・スパ24時間レースなどが組み込まれるIGTCインターコンチネンタルGTチャレンジの開幕ラウンドとして行われてきた。
そんなバサースト12時間は2020年も1月31日~2月2日にかけて開催されるが、これに先立ち次回大会からはSROモータースポーツ・グループが運営するIGTCシリーズの競技規則を採用する旨がアナウンスされていた。
しかし、イベント主催者はその一部について、エントラントとの“広範囲にわたる協議”のほかファンからのフィードバックを考慮し、2020年のレース終了後にルールブックを変更する可能性を改めて確認する方針を固めている。
この決定によりスパ24時間をはじめ、IGTCの各ラウンドで採用されている最低ピットストップ時間とジョーカーピットストップ、最大スティント長、メカニカル・ピットストップに関するレギュレーションは2020年のバサースト12時間では適用されないこととなった。
その一方でアマチュアドライバー向けのシルバーカップの追加や、これまでポルシェ911カップカーが対象となっていたクラスBへのランボルギーニ・ウラカン スーパートロフェオの導入は予定どおり実装される。
また、BoP(バランス・オブ・パフォーマンス)によって定められる各車両の重量にドライバーの冷却装置および、オンボードカメラシステムを含めるなど、ピット作業レギュレーション以外の規定変更は2020年から適用となる予定だ。
「私たちはチームからのフィードバックを確実に耳に入れることをつねに意識している」と語るのは、イベントディレクターのクート・サクゼスキー。
「受け取ったフィードバックの大部分は、この(ピット規定の)変更がこれまでトラック上で見られたドラマチックなレースをより高めるものではないというものだった。そのため、我々はレースの重要な要素となるこの規定の変更を2020年のレースが終わるまで保留することにした」
「現在のルールはこれまでレースを行ってきたなかで絶えず進化しているものだ。次のレース後には、この機会を利用してルールの見直しを検討し、地元チームと海外チームの両方に適したパッケージを作成する予定だよ」
「提案された変更案のいくつかについては、ファンの間でとくに強い反応がみられた。我々はそんなファンの反応も注意深く観察し、意思決定においてそれを考慮しているんだ」