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インディカー戦うロッシとヒンチクリフ、豪州の祭典“バサースト1000”へ殴り込み

2019年08月20日 14:11  AUTOSPORT web

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ウォーキンショー・アンドレッティ・ユナイテッド(WAU)からバサースト1000に参戦が決まったアレクサンダー・ロッシ(右)とジェームス・ヒンチクリフ
VASCヴァージン・オーストラリア・スーパーカーのシリーズを代表する祭典であり、世界中のモータースポーツ関係者も注目する“バサースト1000”に、2019年は豪華なワイルドカード枠ドライバーの参戦が決定。シリーズを戦うウォーキンショー・アンドレッティ・ユナイテッド(WAU)は、インディカーに参戦するアレクサンダー・ロッシとジェームス・ヒンチクリフのダブルエースを招聘することを発表したのだ。

 2019年シーズンは10月10~13日の週末に開催が予定されるバサースト1000は、名物トラックのマウントパノラマを舞台に、これまでも多くのゲストを受け入れてきた。 

 オーストラリアを拠点とするウォーキンショー・レーシングと、北米の雄であるアンドレッティ・オートスポートが提携を結んでいる一環として、インディカードライバーを招くことになったWAUは、ホールデン・コモドアZBにロッシのレギュラーナンバーである『27』を付けて、この伝統の1戦にエントリーする。

 インディ500のポールシッターとウイナーであるロッシとヒンチクリフは、最新のスーパーカーを習熟するため10月1~3日にウィントン・レースウェイで予定される3日間の公式テストに参加。そこで初めてGen2規定のホールデンをドライブすることになる。

 ヒンチクリフには以前にもシリーズ参戦経験があり、耐久カップ登録のコドライバーとしてV8スーパーカー時代に2戦を戦った。2012年のゴールドコースト600では、オープニングのマルチクラッシュに巻き込まれたひとりでもある。

 一方のロッシはF1でのレース経験を筆頭にフォーミュラレースを中心に活動。2016年にはインディ500を制覇したほか、2018年はタイトル獲得に挑むもスコット・ディクソンに惜しくも敗れランキング2位。2019年シーズンもそのリベンジとばかりに、ランキング2位につけている。

 双方ともに、2013年からオーストリア・スーパーカーに導入された“COTF(カー・オブ・ザ・フューチャー)”規定マシンをドライブした経験はなく、ロッシはこの挑戦を楽しみにしていると同時に「目を見張るような体験になるだろう」と意気込みを語っている。

「学ばなくちゃいけないことだらけで、迅速なマシン習熟が必須になるだろうけど、そのことは良く理解しているつもりだ」と、自身初の“ハコ車”となる、トップツーリングカーに挑むロッシ。

「このスーパーカー・シリーズにはドライバーの友人が数多くいて、彼らの才能を考えればとても厳しいコンペティションになる。マウントパノラマという独特のサーキット攻略も求められるし、本当にエキサイティングな挑戦になりそうだね。でも、このレースは長い間、僕のターゲットリストに載せていたものでもあるんだ」

「興奮と恐怖、このふたつの言葉は本当に良くこのレースを表現していると思う。ワクワクしながらも、恐れをなしつつマウントパノラマと“手をつないで”仲良くなり、コースを攻略していく。超ハイスピードのブラインドコーナーが数多くあり、本物の勇気が試される。サーキットに対する知識が非常に重要だ。現時点で僕は何も持っていない、これは面白くなりそうだね」

 一方、旧規定のマシン経験があるヒンチクリフも、事前テストの経験がロッシと自分自身をスピードアップさせるのに必要不可欠だと考えている。

「シリーズの前身であるV8スーパーカー時代に彼らと一緒に走った経験がある。多分、アレックス(ロッシ)よりは左手で快適にシフトできると思うけど(笑)、でもそれも随分昔の話だ。それ以降、シリーズにもマシンにも大きな変化が起こっているようだからね」と、ヒンチクリフ。

「僕たちふたりにとっては、大きな学習曲線を描くためにテストが必須だ。モータースポーツ界で最も困難なコースのひとつを学ばなくてはならない上、初めてドライブするマシンの特性を把握する時間が必要だからね」

 ワイルドカード枠エントリーのインディ・タッグに加えて、WAUのレギュラーカーである2台も“エンデューロ・カップ”初戦となるバサースト1000にエントリー。2号車は2年連続で表彰台獲得中のスコット・パイとウォーレン・ラフのペアを継続。もう1台には2010年シリーズ王者のジェームス・コートニーとジャック・パーキンス組が5年目のタッグで挑むことになっている。