IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の最高峰カテゴリー、DPi(デイトナプロトタイプ・インターナショナル)クラスに『ニッサンDPi』を使用して参戦しているコア・オートスポーツが、2019年限りでDPiプログラムを終了させる可能性があると噂されている。
Sportscar365が複数の情報筋から示された内容は、アメリカ・サウスカロライナ州のロックヒルに本拠を置くチームが現在活動中のDPiプログラムを一時的に停止するというもの。また、オーナー兼ドライバーのジョナサン・ベネットが、10月に行われる今季最終戦プチ・ル・マンを最後にフルタイムドライバーを引退するという情報も伝えられている。
2018年に当時の最高峰プロトタイプ(P)クラスにオレカ製LMP2カー『オレカ07』で挑んだコア・オートスポーツは、デビューイヤーとなったその年に2勝を挙げる活躍をみせた。同年のオフには、2019年にDPiとLMP2がそれぞれのクラスに分割されることになったため、当初は活動の場をプロ・アマのLMP2クラスに移すとしていた。
しかし、前年までニッサンDPiでシリーズを戦ってきたエクストリーム・スピード・モータースポーツがシリーズから撤退したことを受け、チームはニッサン製エンジンを搭載するこのプロトタイプカーを購入。土壇場でDPiクラスでのプログラムをスタートさせた。
ところが、リジェJS P217ベースのニッサンDPiをドライブするベネットとコリン・ブラウンは、第7戦モスポート(CTMP)でのポールポジション獲得こそあれど2019年シーズンは8ラウンド終了時点でポディウムフィニッシュがゼロ。ランキングも9位と低迷している状況だ。
先月、ブラウンの快走で今季初ポールを獲得したCTMPで、ベネットは2020年シーズンもニッサンDPiでのプログラムを継続する計画であるとSportscar365に語ったが、今月になってシーズン末にプログラムを終了する決定が下されたと考えられている。
これに対してベネットは先週金曜、「必ずしも事実ではない」と噂を否定し、チームは来週「より周到に準備をした上で」今後のプランについて話し合いを行うという。
「2020年シーズンの活動計画はまだ決まっていない」
「噂がどこから流されたのか本当に分からないが、最終的な決定はまだなされていないんだ」と改めて活動休止決定の報を否定した。
■ポルシェGTチームとのパートナーは継続か
仮に、コア・オートスポーツがニッサンDPiでの活動を終了した場合、北米耐久シリーズは最高峰カテゴリーに参加するブランドをひとつ失うことになる。
今月初めにSportscar365によって明らかにされたように、フォードは来シーズンのDPi参入の可能性を除外している。また、その他のメーカーについても2020年に向けた具体的な動きは見られていない。
このため、ベネット率いるチームが去れば、DPiクラスに残るのはカテゴリー創設当初から参戦を続けるキャデラックとマツダ、そして2018年に参入したアキュラの3メーカーとなるのだ。
なお、コア・オートスポーツはGTル・マン(GTLM)クラスで今季8戦中5勝を挙げているポルシェGTチームのレースオペレーションを担っているが、こちらに関してはDPiプログラムの活動継続、撤退にかかわらずパートナーシップが継続されるものと理解されている。