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『なつぞら』なつが陰りのある笑顔を見せた理由は? 帰国した麻子が波乱を呼ぶ

2019年08月19日 12:01  リアルサウンド

リアルサウンド

『なつぞら』写真提供=NHK

 『なつぞら』(NHK総合)第21週の初日では、家族に妊娠を報告するなつ(広瀬すず)の姿が描かれた。


 坂場(中川大志)や仲(井浦新)、神地(染谷将太)らの後押しもあって、産休明けもこれまで通り働けるようになったなつ。仕事と子育ての両立が現実的になりつつあるが、なつにはまだ不安があるようだ。


 なつは咲太郎(岡田将生)と光子(比嘉愛未)に妊娠を報告した。咲太郎たちはなつの突然の報告に驚くが、「おめでとう」と盛大に祝福した。しかし彼らの嬉しそうな表情となつの表情には温度差がある。広瀬の表情からは、心の底から喜べない「何か」が感じられる。


 なつは十勝にいる家族にも妊娠を報告。電話をとった砂良(北乃きい)に妊娠を報告したときも、喜ぶ砂良とは対照的な笑顔を見せたなつ。なつの笑顔には陰りがあった。なつが晴れない表情をしていた理由は、母・富士子(松嶋菜々子)との会話で明らかになった。


 「どうしよう。今、すごく母さんに会いたい。本当は、少し怖いんだけど、私も母さんになるの」


 妊娠が発覚してからのなつは、普段のようにハツラツとしておらず、どこか不安げな様子を見せていた。その不安を隠すように笑顔を見せる広瀬の繊細な演技と「少し怖い」という台詞には、妊娠・出産、そして仕事との両立という未知の経験への不安が詰まっていた。


 それから数ヶ月が経ち、なつのお腹はすっかり大きくなった。そんななつの前に、日本へ帰ってきた麻子(貫地谷しほり)が現れる。なつと麻子のおなじみの掛け合いや麻子の厳しいジョークに苦笑いする坂場の姿は面白い。


 和気あいあいとした雰囲気の中、麻子は坂場に「一久さん、またアニメーションを作る気はない?」と切り出した。話を切り出された坂場は目を輝かせているように見える。だが、この麻子の誘いが、なつたちの仕事と子育ての両立に波乱を巻き起こすことだろう。


■片山香帆
1991年生まれ。東京都在住のライター兼絵描き。映画含む芸術が死ぬほど好き。大学時代は演劇に明け暮れていた。