VASCヴァージン・オーストラリア・スーパーカーに参戦するティックフォード・レーシングは、2019年シーズン第10戦"ザ・ベンド"に向け、6台目のフォード・マスタング・スーパーカーをワイルドカード枠で投入することをアナウンス。ブラックとオレンジをベースとした鮮烈なカラースキームのマシンを披露するとともに、そのドライバーに若手有望株のトーマス・ランドルを起用すると発表した。
これがVASCシリーズのメインゲーム初参戦となるランドルは、8月23~25日にザ・ベンド・モータースポーツパークで開催されるスーパースプリント戦で、今季シリーズを席巻するフォード・マスタング・スーパーカーのステアリングを握ることが決まった。
現在23歳のランドルは、オーストラリア・フォーミュラ・フォードのチャンピオンを獲得して以降、BRDCイギリスF3選手権やフォーミュラ・ルノーにも挑戦。2017年には地元のトヨタ・レーシング・シリーズを制し、2018年にはティックフォードに抜擢されてVASC下部シリーズとなるSuper2に参戦した。
Super3を飛び越えてのステップアップながら才能の片鱗を見せたランドルは、引き続き2019年シーズンも同じ体制で2年目のシリーズを戦っており、先月のイプスウィッチ戦、クイーンズランド・モーターウェイで初優勝を飾っている。
北欧系企業のスカンディアからバックアップを受けるランドルは、2013年のCOTF(カー・オブ・ザ・フューチャー)規定に合わせて導入された初期のローリングシャシーにマスタングのボディシェルを装着。この66号車で耐久カップ参戦を前に単独でのメインシリーズ・デビューを果たす。
VASC初レースに先立ち、ランドルはこれを機会に「ドライバー・デベロップメント・シリーズからトップカテゴリーへ、メインシリーズ昇格のチャンスを掴みたい」との野望を口にした。
「オーストラリアのフットボールに例えれば、VFL(ヴィクトリアン・フットボール・リーグ/州単位)からAFL(オーストラリアン・フットボール・リーグ/プロリーグ)にドラフトされるようなもので、本当に夢が叶った気分だ」と、まずはVASC参戦の喜びを語ったランドル。
「メインゲームとなるスーパーカー・シリーズにデビューできると決まって本当にワクワクしているし、過去数カ月にわたってこの実現に尽力してくれたティックフォード・レーシングのみんなに心からの感謝を捧げたい」
「もちろん、各スポンサー企業と並んで主要パートナーとして僕を後押ししてくれたスカンディアにもお礼を言いたい。スカイサンズ、ACTフェンス・ハイア、V8スルース、カストロールなど、多くのパートナーが僕のチャレンジをサポートしてくれているんだ」
「スーパーカーのシリーズで戦うのが、僕の子供の頃からの夢だった。その夢があと2週間後についに叶うんだ。タイレムベンドでフォード・マスタング・スーパーカーを自分の手でドライブできる。こんなに素晴らしいことはないよ」
ランドルはすでに、ティックフォード・レーシングの5号車をドライブするリー・ホールズワースの耐久カップ向けコ・ドライバーとしても登録されており、10月10~13日に開催される伝統の"バサースト1000"から始まる、レース距離500マイル越えの『エンデューロ・カップ』全3戦でも、マスタングをドライブすることが決まっている。