私が関わる研修や企業の組織開発の中で、20代の教育担当をする40代の管理職社員が、若手とのコミュニケーションに悩んでいるという訴えを耳にすることが多くなっています。
今回はそんな思いを持つ管理者の皆様が、20代の部下と良好なコミュニケーションを紡ぐポイントをお伝えしてまいります。(文:働きがい創造研究所社長 田岡英明)
若手と自分、ライフスタイルの共通項を見つける
良好なコミュニケーションのポイントは「いかに共通項を見出すか」です。皆さんは以下の14個の項目に、どれくらいYESと答えられるでしょうか?
・NewsPicksを毎日チェックしている。
・SNS(Twitter/Facebook/Instagramなど)からも情報を得ている。
・月に一度以上は、勉強会・セミナーや異業種交流の場に参加している。
・四半期に一度以上は、展示会や見本市などのイベントに足を運んでいる。
・没頭できる趣味がある。趣味のサークルなどに参加している。
・ボランティアなどの慈善活動に参加している。
・ウェアラブル端末を使用している、したことがある。
・Ginza Sony Parkに行ったことがある。
・Uberを利用したことがある。
・メルカリを利用したことがある。
・アマゾンダッシュボタンを利用している、したことがある。
・ノールックAI家電を使用している、したことがある。
・VRを体験したことがある。
・Apple Pay、Android Pay、LINE Payなどを利用している(利用したことがある)。
上記の内容に限らず、最近の若者の中の文化や流行に触れる機会を持つことは重要です。共通の話題が出来れば、コミュニケーションは自然に進んでいきます。
若手が上司に求めているのは「武勇伝」ではなく「失敗体験」
若手の文化や流行を理解できたら、次は管理者自身の自己開示が必要です。私が製薬会社時代に開催していた勉強会の中でも、若手社員の多くが「上司の皆さんの失敗体験が聞きたい!」と答えていました。
皆さんは、これまでの社会人人生の中では、成功体験以上に沢山の失敗体験を持っているはずです。もちろん、失敗ととらずに成長の機会にされている方も多いかとは思いますが、若手の目線になって自分自身の体験を振り返り、失敗体験として経験談を伝えてあげましょう。
失敗体験をした時の自身の感情や戸惑いの他に、今から振り返ってみるとどのような学びになったのかを加えると良いと思います。
この際、"自慢話にならない"ようにすることだけ注意してください。失敗を乗り越えた経験は、武勇伝として語りがちです。武勇伝になってしまった瞬間に若者の心はその場所から離れてしまいます。
お互いの自己開示ができれば信頼関係が生まれる
上司自身の自己開示が進んだら、次は若手の自己開示を促していきましょう。学生時代にやったことや休日の過ごし方、最近の仕事の不安、仕事の楽しさを感じる瞬間、持っているリソースとこれから獲得したいリソースはどのようなものか、などを聞いていくと良いでしょう。
上司の自己開示がしっかりなされていれば、そこには信頼関係が出来ているはずです。上記のようなプライベートを含む質問にも快く答えてくれます。
そして管理職の皆さんは、若手がしてくれた自己開示の中から、若手の強みを見出し、強みを承認していきましょう。強みの承認は人のやる気を上げます!そして、強みを活かした仕事を支援しながら、徐々に弱みの補強を促していくのです。
以上、最近の若手とのコミュニケーションギャップに悩む40代管理職の皆様へ、若手に接する際のポイントについてお話をさせていただきました。様々な部下がいますが、臆せずに一歩踏み込んだ会話をしてまいりましょう!