2019年08月17日 10:51 弁護士ドットコム
35度を超える猛暑日が全国で相次いでいますが、みなさんの職場の空調は快適ですか。職場には、寒がりな人もいれば暑がりな人もいるので、調整が難しいですよね。
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周りに配慮せず、設定温度を極度に高くしたり低くしたりする「エアハラ」(エアコン・ハラスメント)という言葉もあるんだそう。
弁護士ドットコムのLINE登録者約5800人に、職場の空調に関するトラブルを尋ねたところ、「寒いので防寒対策をしている」という声が多数寄せられました。
千葉県の40代女性は、以前派遣で務めた保険会社で、エアコンの設定温度をめぐるバトルがありました。中には、防寒でフード付きのボンチョを着て、男性社員から「エスキモーか」と言われる女性もいたとか。
今の職場にも、エアコンの温度設定は建物の管理者がするため変えられず、靴下を3枚履いたり、フード付き上着でフードをかぶったりする女性がいます。「私はマスクもしています、夏に。鼻水出てきます」と訴えます。
愛知県で事務職をしている30代女性の席は、エアコンが直に当たる場所です。事務室内の配置換えを上司に掛け合うも、「めんどくさいからそれはやらない」と言われるだけ。
女性は雨具のカッパを着て耐えたそうで、「暑がり寒がりの話ではなく、相談が成立しないのが問題です」と話します。
席によってエアコンの効きが異なるために、「寒い」と「暑い」が割れることも多いようです。
「職場は夏になると本当に極寒の地へと変貌します」。こう話すのは、東京都の30代女性。暑がりの上司がいる席は、太陽の日差しがさんさんと入ってくる窓際。エアコンの風も届きづらく、上司がどんどんと設定温度を下げ20度にすることもあります。
女性は「夏になるとカーディガンやホット飲料で体を温めています。冬に使うはずの足元の暖房もフル稼働です」と寒さ対策に追われています。
中小企業の工場で働く40代女性は、場所によってエアコンの効きにムラがあり、時には冷えてお腹を下すことも。「ラインに入って作業することがほとんどです。一旦入るとそこから動かないので、冷え症なので大変です」。職場は暑がりが多く、温度が下がることを見越して、服を着込んでいるそうです。
一方、「汗かき」だというさいたま市の20代女性は、エアコンの設定温度は25度であるものの、日差しがビルに反射してフロアに差し込むため「着替えが必要なほど暑い」と言います。
暑がりと寒がりの果てしない温度論争。「ほぼ寒がり派が優勢で、暑がり派は劣勢(我慢)な気がします」と話すのは、北海道で事務職をしている40代男性です。
男性自身は暑がりだと言いますが、服装で対応できたとしても「ノーネクタイ程度」。「寒がり派さんは、そんなに寒いなら、薄着でいないでもっと服を着て対策してほしい!」と訴えます。
また、「会社として方針を出すべき」という声もありました。
関東圏で営業職をしている50代男性は、「個人的には、25度~26度ぐらいがちょうどいいのですが、やはり27度は暑く感じます」と言います。職場には25度や26度でも「寒い」と温度を上げようとする人がいますが、「暑いのは脱いでも解決しないですし、汗臭くなる人も多くなるでしょうし…」と暑い側にも理解を示します。
「例えば会社として、『25度に設定するので、それが寒いと感じる人は、羽織るものを用意してください』などのアナウンスがあれば良い気がします」
法的には、職場の温度はどのように定められているのでしょうか。冨本和男弁護士に聞きました。
「事業者には、快適な職場環境を形成するために必要な措置を講ずる努力義務が課せられています(労働安全衛生法71条の2)。
オフィスの環境基準については、労働安全衛生法に基づく厚生労働省令として事務所衛生基準規則5条3項に定められています。エアコンがある場合、室温を17度以上28度以下にするように努めることが求められています。
とはいえ、室温の感じ方は人それぞれなので、皆が納得する状況はなかなか難しいですね。平均的なところで調整し、あとは寒い人は着衣、暑い人はうちわなどで対応する必要があると思います」
みなさんの職場では、どうですか。コメント欄に声をお寄せください。