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美 少年、ソロパフォーマンスに滲んだそれぞれの強みやアイドル観 2019年サマステに参加して

2019年08月15日 17:51  リアルサウンド

リアルサウンド

美 少年

 現在、EX THEATER ROPPONGIで開催中のコンサート『パパママ一番 裸の少年 夏祭り!』。 複数のジャニーズJr.が出演するこのステージの中から、今回は8月2日に千秋楽を迎えた美 少年・少年忍者公演の模様をレポートしよう。


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 幕が上がると、ステージ中央に設置された巨大な壁の向こうから、爽やかな白のスーツ風衣装で美 少年の6人が登場。そのまま今年の『テレビ朝日・六本木ヒルズ 夏祭り SUMMER STATION』(通称:サマステ)のテーマソングである「おいで、Sunshine!」を少年忍者と一緒に歌い、コンサートが始まった。


 2曲目はがらりと雰囲気を変え、Kis-My-Ft2のダンスナンバー「A.D.D.I.C.T.」を。普段は上品なイメージの強い美 少年だが、雄々しいパフォーマンスで客席を魅了する。その後は「君色思い」「渚のお姉サマー」とポップなナンバーが続き、メンバーも空中に設置された通路を伝って、ファンに手を振りながらバックステージへ移動。客席との距離の近さも、サマステの魅力の一つだ。


 前半戦の見どころは、出演者全員が登場する華やかな「和コーナー」。まず、KAT-TUNの「FIRE STORM」では、美 少年が扇子を使ったダンスに挑戦。途中、メンバーの岩﨑大昇と佐藤龍我が腕を絡ませ顔を近づける振付では、思わず客席から黄色い歓声が上がる。続く「日本よいとこ摩訶不思議」では、大きな和太鼓の上でタップダンスを披露。観客を飽きさせない派手な演出の連続は、さすがジャニーズといったところだ。


 また、今回の公演では、美 少年のメンバー全員が本格的なソロパフォーマンスにも挑戦した。今年の春にシアタークリエでおこなわれた『ジャニーズ銀座』で、初めてソロパフォーマンスを披露した美 少年だが、今回はその時より、1曲1曲の作り込み方も尺の長さも桁違い。各人の個性豊かなパフォーマンスから、彼らそれぞれの強みやアイドル観をうかがうことができる贅沢な時間だった。


 佐藤龍我は、赤西仁の「Love Song」をスタンドマイク1本で歌いあげた。バックダンサーも、凝った映像演出もないシンプルなステージが、佐藤の透き通った歌声の魅力をより一層引き立てた。


 続く藤井直樹は、山下智久の「秒針」を。ダンスが得意な少年忍者のメンバーをバックに従え、得意のしなやかなダンスで曲の世界観を表現した。モニターに映る映像やライトも、藤井本人がこだわって演出したという。


 最年少の金指一世は、相葉雅紀が歌う「Amore」を披露。ステージ端に設置されたポールを伝って降りてきたり、連続でバク転に挑戦するなど、身体能力の高さに驚かされる。かねてから「アクロバットが上手くなりたい」とインタビューなどで語っていた金指。曲の最後には見事なバク宙を決め、客席は拍手喝采となった。


 後半戦のソロコーナーは、那須雄登が歌う櫻井翔の「このままもっと」からスタート。実際に嵐のコンサートで使用していた映像を、那須が櫻井に連絡を取って使わせてもらったという。少年忍者と戯れながら爽やかに歌い踊る那須の笑顔がまぶしい一曲となった。


 浮所飛貴は、吸血鬼風のマント&燕尾服に身を包んで手越祐也の「I’m coming」に挑戦。この曲のために赤いカラーコンタクトレンズを装着するという気合の入りよう。官能的な歌詞に合わせて燕尾服をはだけると、客席からは悲鳴が。高いパフォーマンス能力を持つ浮所ならではの、圧巻のステージだった。


 ソロコーナーのトリを飾るのは、岩﨑大昇。山下智久の「Blood Diamond」をハンドマイクで歌いあげた。パフォーマンスのテーマは本人曰く「堂々とすること」。真剣なまなざしで前を見据え、歌声だけでバックダンサーの少年忍者を統率するような力強さがあった。


 その後もジャニーズの先輩たちの人気楽曲が次々に登場し、客席の一体感は最高潮に。そして、コンサートの終盤では、亀梨和也が作詞した美 少年の新曲「ねぇもっと」がお披露目された。歌謡曲風のメロディに、好きな人を思い続ける大人な歌詞。まだメンバー全員が10代の美 少年だが、感情のこもった歌声で、見事に世界観を作り上げた。


 美 少年にとって、今年で3度目となるサマステのコンサート。はじめはMr.KING、Prince(現・King & Prince)のバックダンサーからスタートした彼らだが、年々確実にアイドルとして成長している様子が伺える。2020年にはジャニーズJr.の先輩ユニット、SixTONESとSnow ManがCDデビューすることも決まり、美 少年がJr.の中核を担う時代も近いだろう。ぐんぐん成長を続ける彼らの、今後の活躍に期待したい。(みずさき)