WEC世界耐久選手権に参戦するチーム・プロジェクト1は、2020年6月に開催される第88回ル・マン24時間レースで、3台目のポルシェ911 RSRを走らせる計画を進めている。
チーム・プロジェクト1は昨季、WEC参戦初年度ながら2019ル・マン24時間レースを制し、“スーパーシーズン”におけるLM-GTE Amクラスのシリーズチャンピオンを獲得したドイツのレーシングチームだ。
9月1日に開幕するニューシーズンに向けては、2018/19年シーズンから1台増となる2台体制としてチーム体制を強化。チャンピオンカー56号車ポルシェ911 RSRのドライバーにエギディオ・ペルフェッティ、デビッド・ハイネマイヤー・ハンソン、マッテオ・カイローリを起用する。
また、追加投入される57号車には、昨年のル・マンでAmクラスのトップチェッカーを受けたものの、事後車検で車両規定違反が見つかり失格となったフォードGTをドライブしていたベン・キーティング、イェルーン・ブリークモレン、フェリペ・フラガのトリオが搭乗することが明らかにされている。
そんなチームは現在、WECに加えてELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズのGTEクラスにも参戦しており、10月まで続く欧州選手権との同時参戦継続に向け、3台目のポルシェをオーダーしているという。
チームマネージャーを務めるアレックス・ファンクはSportscar365に対し、チーム・プロジェクト1はまったく同じ型のポルシェ911をふたつの選手権で走らせるが、グローバルプログラム(WEC)とヨーロッパのプログラム(ELMS)を「完全に分割する」と語った。
「バルセロナでのWECプロローグでは(57号車に)ELMSの車両を使った。その理由は3台目がまだチームに届いていないためだ」
「我々は3台目のクルマが来るのを待っている。多くの機材とポルシェのペアをWECで使い、もう1台はELMSで走らせる予定だ」
「また、チームは次のル・マンにむけて3台目のクルマが必要になると考えている。そのために、冬の間にしなくてはならないことは何でもやるつもりだよ!」
チーム・プロジェクト1は、キーティング・モータースポーツが失格となった今年のル・マンで優勝したため、2020年大会に自動的に招待される。
ファンクは、WECのシーズン最終戦に第三のポルシェを用いる計画について、「もし私たちがそれを実現したいのであれば、我々にはそうする資格があり、それが私たちがすべきことだ」と述べた。
「我々のチームは3台目のポルシェを使うことができる。ル・マンでのこの計画に対し興味を示すドライバーからはすでに連絡も受けている」
「3台のクルマでうまくやるつもりだよ。しかし、ブロンズドライバー3人が乗るクルマを走らせるつもりはない。1台目、2台目と同じように合理的なラインナップを作りたいと思っているんだ」
先月発表されたように、チーム・プロジェクト1は2019/20年WEC開幕戦の併催イベントとなるELMS第4戦シルバーストンについては出場をキャンセルしている。
これに関連して、ファンクは今後のELMSの計画ついて「シルバーストンは別として、我々は残りのラウンドにも参加する予定だ」とコメント。
「8月から9月にかかる週末は2台のクルマを走らせるので充分だ。もし、シルバーストンの第2パドックに3台目のクルマがあったとしたら、それは多すぎるよ」