WEC世界耐久選手権は、まもなく開幕する2019/2020年シーズンよりLMP2クラスにおいて、ブロンズドライバー最高位となった選手を表彰する新たなアワードを追加した。対象ドライバーは同クラス1~3位のクルーとともに表彰台に上がる権利が与えられる。
LMP2はWECをはじめ、ヨーロッパ、アジア、北米シリーズでも展開されているプロトタイプカテゴリー。ル・マン24時間レースを目指すジェントルマンドライバーにとっては最高峰の舞台となる。そんなLMP2カテゴリーには、ルールのひとつにドライバーランク制限が存在する。
各チームは2名又は3名のドライバーを選択するなかで、最低ひとりはFIA国際自動車連盟が定めるドライバーズグレードの“シルバー”もしくは“ブロンズ”に属するジェントルマンドライバーを起用することが義務づけられているのだ。
WECの新シーズンで加わるニューアワードは、そのジェントルマンのなかからブロンズを賞の対象としたもの。もっとも上位でフィニッシュした対象ドライバーは、LMP2クラス3位までのチームクルーと一緒に表彰台に登る。しかし、残りのチームメイトはこれに参加することができない。
この動きは、フランソワ・ペロード擁するTDSレーシングが2019ル・マン24時間でポディウムフィニッシュを果たしたが、ブロンズドライバーが“スーパーシーズン”中に表彰台に立った事例がこの1回きりだったことを反映しているようだ。
2019/20年のLMP2クラスをみてみると、レーシングチーム・ネーデルランド、山下健太を起用するハイクラス・レーシング、新規参戦のクール・レーシングとチェティラー・レーシングの計4チームがブロンズドライバーを擁している。
つまり、フリッツ・バン・イアード、マーク・パターソン、アレクサンドレ・コニー、ロベルト・ラコルテの4名が、レースごとに“ブロンズ・アワード”を争っていくことになる。
なお、レーシングチーム・ネーデルランドのバン・イアードが第3戦上海を欠場予定のため、4時間レースとなる同ラウンドでは3名による表彰台争いが展開される見込みだ。また、昨季唯一のブロンズドライバーのポディウムフィニッシャーとなったペロードは今季、LM-GTE Amクラスに活動の場を移している。