下野璃央(Drago COESE 10V)は10周の決勝レースで、約5秒のマージンを築く圧倒ぶりをみせた スーパーFJに、また新たな女性ウイナーが誕生した。8月10~11日にオートポリスで開催された、シリーズ第4戦で下野璃央(Drago COESE 10V)がポールポジションから、一度もトップを譲らぬ快走で初優勝を飾ったのだ。
女性だけで争われるフォーミュラレース『Wシリーズ』が誕生するなど、近年はフォーミュラカーレースで女性ドライバーの活躍が目立つが、スーパーFJにおいて富士シリーズ第1戦で初優勝を飾った村松日向子に続く、2人目のウイナーがオートポリスシリーズの第4戦で誕生した。
下野は予選で2番手にコンマ08秒の僅差ではあったが、トップタイムを記して初のポールポジションを獲得。しかし、「自分としては、まずまずのタイムなんですが、昨日よりも差を詰められてしまったのが……。昨日はコンマ3秒ぐらい(差が)あったのに」と、少々悔しそうに語っていた。
普段はスーパーFJ鈴鹿シリーズを戦っている下野だが、Wヘッダー開催となった前大会でオートポリス初遠征にも関わらず、2戦とも予選は2番手。だが、いずれもスタートで出遅れたことが影響して、リタイアと4位という結果に終わっていただけに、まさに“リベンジ”の気持ちで挑んでいたからの悔しさなのだろう。
しかし、決勝では絶妙のスタートを切って、オープニングの1周だけでほぼ1秒の差をつけ、後続を寄せつけず。そればかりか終盤までファステストラップを更新し続け、最後は10周のレースで約5秒差をつける圧勝となった。
レース後、下野は「スタートが決まったのが、いちばん大きかったですね」と戦いをふり返る。
「失敗した時のことも想定していましたが、その必要はありませんでした。一度もトップを譲らずにゴールできてよかったです。うれしいです、素直に。応援してくれる家族やチームの人たちに感謝しています」
そう語った下野は2000年5月25日生まれで、大阪府出身。関西外国語大学に通う、現役女子大生ドライバーでもある。カートレースの経験も豊富で、2018年はフェスティカサーキット瑞浪の、ROTAX MAX CHALLENGE SERIESのKZクラスでチャンピオンを獲得。今年からスーパーFJにDrago CORSE/テイクファーストから参戦を開始している。
「今の目標は、鈴鹿で表彰台に上がることと、村松(日向子)さんと対決すること。最終的な目標は、スーパーGTに参戦することです」と下野。今後も活躍にご注目いただきたい。