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浜辺美波×東出昌大が明かす、互いの“ピュア!”なところ 東出「前世猫なのか?ってくらい寝てる」

2019年08月13日 08:01  リアルサウンド

リアルサウンド

左から浜辺美波、東出昌大

 浜辺美波と東出昌大が共演する特集ドラマ『ピュア!~一日アイドル署長の事件簿~』(NHK総合)が8月13日から3夜連続で放送される。


参考:『ピュア!』浜辺美波、“腹黒アイドル”役に「共通点はございません!」 東出昌大も絶賛の座長ぶり


 本作は、『TRICK』シリーズや『ハードナッツ!』『スリル!』など様々なミステリーを生み出した脚本家・蒔田光治が、事件の発生から解決までをわずか「一日」で描く新しい形のミステリーに挑戦した最新作。浜辺が演じるなかなか売れない、ちょっと腹黒いアイドル・黒薔薇純子は、交通安全や防犯啓発のため、「一日署長」として赴いた警察署で、なぜかいつも殺人事件に遭遇する。そこへ必ず現れる東出演じる警視庁捜査一課の東堂刑事と共に、事件に首を突っ込んでいくことになる。


 本作で初共演となった浜辺と東出。お互いの印象や撮影のエピソードなどを語り合ってもらった。


ーー今回浜辺さんと東出さんは初共演ということで、現場での印象をお聞かせください。


浜辺美波(以下、浜辺):撮影の初日に、東出さんが撮影のスタッフさんの名前を全員覚えていらっしゃったのがすごく印象的でした。もちろん台本にはお名前が書いてあるんですけれど、それを一致させるのは難しいと思うんです。尊敬しました。


東出昌大(以下、東出):特に今回、似たような外見の方がたくさんいたんです(笑)。浜辺さんはやはり凛としていらっしゃいました。黒薔薇純子というのは難しいキャラクターだと思うんです。二面性もコミカルに演じ分けなければいけないですし、それでいてサスペンスなので、推理パートでは純子が順序立てて説明することが多いので、それをテストの段階から淀みなくやってらっしゃる。よほどセリフの練習をなさっているんだなと思いました。


ーー浜辺さんの役柄は腹黒くて可愛い、東出さんの役柄は傲慢だけどかっこいいと、その塩梅が非常に重要に感じました。演じる上でどのようなことに意識しましたか?


浜辺:純子の可愛らしさは脚本からにじみ出ていて、ことさら可愛らしくしようという意識はなかったです。そこよりも彼女の残念なところを意識して出せたらいいなと思いました。それが全体を通して愛されるような残念らしさに見えたらいいなと。


東出:僕の演じる東堂は、正義感とエリート意識ゆえ傲慢に映るんですけど、やることがとにかくスベるので、そこを笑っていただければと思っていました。またこの2人に共通して言えるのですが、ある意味でピュアなんです。本当に純真ゆえに事件を解決したいという思いを持っていて、だからこそ、そこを守って演じれば誰もが自然と愛でてくださるようなキャラクターになるんじゃないかな、と思いながら撮影していました。


ーーお2人のバディ感が心地よかったのですが、事前にすり合わせなどはしたのでしょうか。


東出:ないと思うけど、本読みはあったね。


浜辺:そうですね。本読みが大切だった気がします。


東出:事前の本読みでどういうテンポで来るのかお互いわかったので。でもその頃から想像していた通りだったように思います。


浜辺:東出さんは本読みから完成されていて、私は腹黒度合いや清純感をそこで調整しました。


東出:純子の裏と表の顔は動きの中で表現される部分も多いんです。他のアイドルの等身大パネルにダーツを投げるとか(笑)、そういう行動は現場での楽しみでもありましたね。本読みでは、監督がおっしゃることに臨機応変に、声音を変えたりテンポを変えたりなさっていて、以前から思っていたようにお上手な方なんだなと思いました。


浜辺:私は言われたことで変えていくことが多かったのですが、東出さんは東堂というキャラクターで存分に遊ばれていて、ちょうどよくシュールな人物像を攻めて作っていらっしゃったので、それは見ていてすごく面白かったですし、完成したものを見ても東堂が愛されるキャラクターに仕上がっているなと思いました。


ーーお2人が演出面で特に印象的だったことはありますか?


浜辺:身長差がすごくあったので、それを生かしたアングルで撮るのが印象的でした。私がギリギリ顔だけ写っているのもあって、本当に珍しい絵になっていて。歩きながらだと、私がだんだん見切れていったりと、身長差を生かされているので面白いなと思いました。


東出:監督は何かありますか。


同席していた藤原知之監督(以下、藤原):「あまりふざけるな」とプロデューサーの方々に言われていたので、ふざけすぎないように気をつけましたね(笑)。


東出:でも、純子の「ボーっと生きてんじゃねえよ」という台詞は現場で急に入りましたよね。現場で台詞が変わることが多かった気がします。


浜辺:監督が「思いついちゃったけど、どうしようかな」と悩んでることが多くて、「言ってください」と促して、やることが多かったですね。


東出:あと雨が降ってきて「雨だ! 雨だ!」って純子がはしゃぐところも現場でできましたよね。あれ可愛かったですね。


浜辺:撮影の前は晴れの予報だったんですけれど、雨が降ってきちゃったので、前後の場面とうまく繋げるために言おう、と監督が。


藤原:そうですね。シーンの頭とかお尻の言葉はだいたい現場で決めましたね。


ーー記者会見では、自身と役柄に共通点はないとおっしゃっていましたが、撮影を通して感じたお互いのピュアな部分、腹黒い部分はありますか?


浜辺:えーー。


東出:いいですよ。遠慮なく(笑)。


浜辺:ピュアはあるんですけどね。かき氷を食べるシーンがあったんですけれど、そんなにたくさん食べられないのに、「いいですよ足してください」と氷も練乳もたくさん足して、最後お店の方にも「ありがとうございます」と言ってらっしゃって、そういう一つひとつがさすがだなと、愛される理由だなと思いました。腹黒いところは……今のところ思いつかないです!(笑)。


東出:浜辺さんって現場の合間合間ですごい寝るんです(笑)。前世猫なのか? ってくらい、ふと目を離すとうたた寝していて、その姿がまた愛らしいんですけど、ひとつの作品で、みんなで時間を共有してると本当に家族みたいな空気になるので、そういう意味では浜辺さんが寝てるというのが裏表のない印象を受けました。腹黒いところは特にないですね。


ーー浜辺さんは現場の癒しみたいな存在だったんですね。


東出:そうですね。可愛らしかったですね。


浜辺:大丈夫ですか? けっこう良くないところなんじゃないかと(笑)。


東出:いいですよね?


藤原:本番数秒前まで寝てましたもんね(笑)。 


浜辺:そうなんですよ。撮影が大変だったからです!(笑)。


東出:もう少しワイワイしている現場もあるんですけど、今回スケジュールが立て込んでいたのもあって、休める時に休んでという感じでしたね。


浜辺:色んな人に起こされました(笑)。


ーー作中には癖の強いキャラクターが多く登場しますが、お気に入りのキャラクターはありますか?


浜辺:もちろんどのキャラクターも好きなんですけど、各話ごとにマスコットキャラクターが出てきて、それが回を重ねるごとにインパクトが強くなっていくので注目して見ていただきたいなと思います。喋らないのにめちゃくちゃ面白いんです。


東出:僕は2話に出てくる教祖です。蒔田さんの作品には、よく宗教団体の教祖が出てくるんですけど、インパクトがすごすぎて、僕が取り調べをするシーンでは、段取りの時に「こいつやべーな」と思って喋れなくなってしまいました(笑)。それで、ただただ教祖に引くというお芝居に変更になったんです(笑)。毎話毎話、容疑者も犯人も強烈な人たちが多くて楽しい現場でした。


ーー1話完結でこのストーリーだと続編も可能だとは思いますが、もしあるとするなら意気込みをお聞かせください。


藤原:僕はみなさんがよろしければ是非続編をと。スタッフも面白がってくれたみたいで、クランクアップしてから「続編あったら私たち絶対やらせてください」と言ってくれたんです。これだけ強烈なキャラクター達だったので、正直1話の段階だとまだ僕らもみんな探り探りの部分もあったのが、どんどんよくなっていったので、これにまだ先があるとなると更に面白くなるのかなと思います。


浜辺:3夜連続放送なので、また次の日の夜も会いたくなるようなコンビ感やキャラクターを目指していたので、3夜目終わった後にもそう思ってもらえたら嬉しいなと思います。


東出:続編は今のところは案もないようですけど、この2人ならではのコンビが確立される瞬間が最後にやってくるので、それを観て視聴者の方が「また見たい」と思っていただけたのなら、実現したいなと思います。僕も大好きな作品と現場でした。


(取材・文=安田周平/撮影=富田一也)