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MotoE第2戦オーストリアGP:ウイーク中に火災発生も影響はなし。決勝はレインタイヤでの初レースに

2019年08月12日 13:41  AUTOSPORT web

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オープニングラップから安定した走りで上位をキープしたディ・メリオ
電動バイクによるチャンピオンシップ、FIM Enel MotoE World Cup(FIMエネルMotoEワールドカップ)の第2戦がレッドブル・リンクで行われ、マイク・ディ・メリオ(エストレージャ・ガルシア・0,0・マーク・VDS)が優勝した。

 MotoGP第11戦オーストリアGPと併催で行われたMotoE。7月上旬に開催されたザクセンリンクでの開幕戦に続き、今大会で2戦目となる。オーストリアGPでは土曜日の午前中に20分間のフリー走行3回目が設定されるなど、レースウイークのタイムスケジュールが一部変更された。これはオーストリアGPのみのセッション追加であり、現時点では第3戦サンマリノGP(MotoGP第13戦)、第4戦バレンシアGP(MotoGP第19戦)には適用されない。

 第2戦を迎えたMotoEだったが、金曜日のフリー走行2回目を終えた後、アクシデントが発生した。MotoEのピットが集まるEパドックで火災が発生。ニキ・トゥーリ(アジョMotoE)のマシンが巻き込まれた。ただ、幸いにも火災はすぐに消し止められたということだ。

 MotoEでは3月中旬のヘレス・サーキット‐アンヘル・ニエトでの公式テスト中、Eパドックの充電ステーションから火災が発生し、すべてのマシンと多くの機材が焼失している。こうした状況を踏まえたものか、開幕戦ドイツGPでは、Eパドック周辺には常に消防スタッフが待機していた。

 今回のアクシデントは大きな被害をもたらすには至らず、土曜日以降のセッションはスケジュールどおりに進められた。火災の原因については調査中ということだ。

 こうして迎えた決勝レースは、天候は曇りながらもコンディションはウエット。公式テストとしてはこれまでにドライコンディション下で行われ、ダンプコンディションだった開幕戦も全ライダーがスリックタイヤを履いた。そのため、MotoEライダーたちは初めてMotoE用のミシュランのレインタイヤでレースに臨んだ。また、レース周回数がウエットコンディションのために当初の6周から5周となった。

 予選であるEポールにより、ポールポジションを獲得したのはディ・メリオ。2番手にはチャビエル・シメオン(アビンティア・エスポンソラーマ・レーシング)、3番手にはブラッドリー・スミス(ワン・エナジー・レーシング)がフロントロウに並んだ。

 気温19度、路面温度22度のもと、レースがスタート。ホールショットを奪ったのは2番手スタートのシメオン。続いてディ・メリオ、エクトル・ガルソ(テック3・Eレーシング)などが続く。しかし続く3コーナーに向かうストレートで、ガルソが後退。後方集団に飲み込まれていった。

 3コーナーではディ・メリオがシメオンを交わし、トップに立つ。さらにオープニングラップでは開幕戦ウイナーであるニキ・トゥーリ(アジョMotoE)がオーバーラン。トゥーリはレースに復帰したが、大きくポジションを落とした。

 トップ集団は、2番手を走るシメオンをエリック・グラナド(アビンティア・エスポンソラーマ・レーシング)がオーバーテイク。トップがディ・メリオ、2番手がグラナド、3番手がシメオンでオープニングラップを終える。

 2周目に入ると、2番手のグラナドがトップを走るディ・メリオに襲いかかる。ストレートでぐっとその差を詰めたグラナドは3コーナーの立ち上がりでディ・メリオを交わすとトップに浮上。23歳のブラジル人ライダーがレースをけん引する。グラナドは開幕戦前にバレンシアで行われたシミュレーションレースでのウイナーでもある。

 しかし3周目、グラナドが3コーナーで転倒。グラナドが転倒したことにより、ディ・メリオが再びトップに立つ。ディ・メリオが後方を引き離しつつあるなか、シメオン、そしてオープニングラップで後退したガルソによって2番手を争いが展開される。

 シメオンを交わして2番手に浮上したガルソだったが、最終ラップに転倒。シメオンが2番手に浮上した。

 最終的にディ・メリオがトップを守って優勝を飾った。2位はシメオン、3位には序盤にポジションを落としながらも5周の間に追い上げたスミスが入った。MotoEの第2戦オーストリアGPは、3人の元MotoGPライダーが表彰台を占める結果となった。

 レースは初のレインタイヤを履いたウエットレースとなり、グラナド、ガルソの転倒のほか、オーバーランを喫するライダーが少なくなかった。MotoEには決勝日のウオームアップセッションが設けられておらず、また、レースではサイティングラップのみでスタートしなければならない。

 オーストリアGPは金曜、土曜ともにドライコンディションだったため、ほぼぶっつけ本番の状況で、ライダーたちはウエットコンディションのレースを戦ったことになる。MotoEライダーにとっては厳しい状況、そして条件下でのレースだった、と言えるだろう。

 次戦は9月13~15日、ミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリでダブルヘッダーとして2レースが開催。MotoGP第13戦サンマリノGPに併催の形で行われる。

 以下、MotoE第2戦オーストリアGPの決勝順位結果。

■MotoE第2戦オーストリアGP 決勝順位結果(5周)
路面:ウエット
Pos.No.RiderTeamMotorcycleTime/Gap163M.ディ・メリオエストレージャ・ガルシア・0,0・マーク・VDSエネルジカ8'41.799210X.シメオンアビンティア・エスポンソラーマ・レーシングエネルジカ2.238338B.スミスワン・エナジー・レーシングエネルジカ4.36845A.デ・アンジェリスオクト・プラマック・レーシングエネルジカ5.071511M.フェラーリトレンティーノ・グレシーニMotoEエネルジカ5.155615S.ジベルナウジョイン・コントラクト・ポンス40エネルジカ6.845716J.フックオクト・プラマック・レーシングエネルジカ7.96187N.カネパLCR Eチームエネルジカ10.33192J.ラフィンダイナボルト・インタクトGPエネルジカ8.9071032L.サバドーリトレンティーノ・グレシーニMotoEエネルジカ11.6371178K.フォーレイテック3・Eレーシングエネルジカ16.4461214R.ド・プニエLCR Eチームエネルジカ18.0621327M.カサデイオンゲッタ・SIC58・スクアドラ・コルセエネルジカ19.5841418N.テロルオープンバンク・アンヘル・ニエト・チームエネルジカ21.2441566N.トゥーリアジョMotoEエネルジカ22.490166M.エレーラオープンバンク・アンヘル・ニエト・チームエネルジカ25.7461751E.グラナドアビンティア・エスポンソラーマ・レーシングエネルジカ1'10.619NC4H.ガルソテック3・Eレーシングエネルジカ1 Lap(リタイア)