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風間俊介の人を惹きつける“素直さ” 『監察医 朝顔』桑原くんに滲み出る愛され力

2019年08月12日 06:11  リアルサウンド

リアルサウンド

 『監察医 朝顔』(フジテレビ系)で、改めて注目を集める役者・風間俊介。第4話で、婚約者の朝顔(上野樹里)から妊娠を告げられ、義父・平(時任三郎)に「嬉しい。嬉しいよ~」と泣きながら抱きつく場面は大反響。現在は『やすらぎの刻~道』(テレビ朝日系)にも出演中で、先日、2020年大河ドラマ『麒麟がくる』(NHK総合)で徳川家康役を務めることも発表された。


【写真】『監察医 朝顔』会見に登場した風間俊介


 風間俊介という人は、つくづく多才だなと思う。“歌わないジャニーズ”としてもおなじみの風間だが、その活躍は多岐に渡る。しかも、それぞれの技量がハイクラスで、そのエンターテイナーぶりに感嘆するばかりである。


 朝の情報番組『ZIP!』(日本テレビ系)では、月曜メインパーソナリティーとして、生放送のカギとなる柔軟性とコメント力の高さを発揮。また屈指のディズニーマニアとしても知られ、『マツコの知らない世界』(TBS系)や『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)で披露する、他とは違うディープすぎる東京ディズニーリゾートの世界は、視聴者からも大好評だ。


 意外と知られていないのが、声優としての活躍。2000年から『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』(テレビ東京系)の主人公・武藤遊戯役を務めているほか、『ハートネットTV』(NHK Eテレ)や連続ドキュメンタリー『RIDE ON TIME ~時が奏でるリアルストーリー~』(フジテレビ系)でナレーションを務めるなど、温かみある声を生かした活動も多い。


 一方で、ジャニーズの醍醐味ともいえる所属タレント同士の絡みでも視聴者を魅了。『VS嵐』(フジテレビ系)などでは“相葉くんのお友達”としてイジられまくって爆笑をさらい、山下智久、生田斗真、長谷川純と共に「FOUR TOPS」としてタッキー&翼のラストステージにダンスで華を添えたかと思えば、張り切って練習したにもかかわらず、本番でミスをするというエピソード付き。仕事のできるイジられキャラ……愛され力に、どこまでも長けた人である。


 その風間が、新米刑事・桑原真也役で出演しているのが『監察医 朝顔』。主人公・朝顔の恋人であり、朝顔の父・平の部下という複雑なポジションで、仕事にプライベートに、平の顔色を伺いながら奮闘する姿が愛おしい。なじみの「もんじゃ屋」で突然プロポーズするといった“不器用さ”以上に、母親が行方不明となっていることを打ち明けた朝顔に、涙を流して再度プロポーズする“素直さ”が魅力の愛されキャラである。


 だが、これまでに風間が演じてきた役柄は、愛されキャラからほど遠いものも多い。役者として注目を浴びるきっかけとなった『3年B組金八先生(第5シリーズ)』(1999年/TBS系)で演じた兼末健次郎役に始まり、『それでも、生きてゆく』(2011年/フジテレビ系)では少女を殺害した犯人、朝ドラ『純と愛』(2012年/NHK総合)では不思議な能力を持つ青年、そして昨年放送された『サバイバル・ウェディング』(日本テレビ系)では、突然婚約破棄をする身勝手な男。どれも一癖ある役どころだが、風間が持つ良い意味での“普通さ”とキャラクターの間に生まれるギャップも味方にして、視聴者を惹きつけてきた。


 その中で『監察医 朝顔』の桑原は、風間にある熱量や素朴さがそのまま滲む役どころ。第3話では、平から結婚の許しをもらった後に酔い潰れ、ランニングにパンツ姿で爆睡するという大失態。平が桑原をお姫様抱っこして布団まで運んだといい、その姿を想像するだけでとてつもなく可笑しい。また産婦人科帰りに「お父さん、やるぞーっ!」と気合いを入れ直す様も印象的で、愛すべき男・桑原くんをついつい「頑張れ」と応援したくなってしまう。そしてまた、桑原くんを演じる風間の“人を惹きつける力”に驚かされるのだ。


 風間の強みは、抜群の適応力と伝える力。パーソナリティーとしても、タレントとしても、声優としても、もちろん役者としても、適応力を駆使して的確に想いを届け、私たちはそのメッセージに自然と引き込まれていく。旧知の仲であるヒロミが「ジャニーズの異端児」と称する風間の実力を目にする機会は、今後ますます増えることになりそうだ。


(nakamura omame)