イギリス・ブランズハッチで開催されたDTMドイツ・ツーリングカー選手権第6戦。11日に行われたレース2は、ランキングトップのレネ・ラスト(アウディRS5 DTM/アウディ・スポーツ・チーム・ロズベルグ)がポール・トゥ・ウインで制し、今シーズン3勝目を挙げた。
前日のレース1はBMWのマルコ・ウィットマンが勝利したが、アウディ勢が予選でライバルを圧倒する。ポールポジションは、ラストが獲得。ロイック・デュバル(アウディRS5 DTM/アウディ・スポーツ・チーム・フェニックス)が2番手、ロビン・フラインス(アウディRS5 DTM/アウディ・スポーツ・チーム・アプト・スポーツライン)が3番手と続き、トップ8をアウディ勢全車が独占。
ラストと9番手のフィリップ・エンゲ(BMW M4 DTM/BMWチームRMR)は約1秒差、ウィットマンは12番手とBMW勢には厳しい予選となった。
スタートでトップを奪ったのはデュバル。ラスト、フラインスと続く。しかし、チームオーダーかすぐにラストがトップに浮上し、リードを築いていく。
2周目にニコ・ミュラー(アウディRS5 DTM/アウディ・スポーツ・チーム・アプト・スポーツライン)がデュバルを交わして2番手に浮上する。
レース1で勝利したウィットマンはオープニングラップで8番手に浮上するも、なかなかポジションを上げられず、トップのラストの差は徐々に離れていく。
ペースが上がらないウィットマンは9周目終わりでピットインへと向かう。
ラストとミュラーは11周目終わりで同時にピットイン。ミュラーは作業に手間取り痛恨のタイムロス。さらにピットアウト後にはウィットマンが襲いかかかる。
しかし、ミュラーはポジションをキープし、タイヤ交換組のトップはラスト、2番手にミュラー、3番手にウィットマンという順に。
ウィットマンは、フラインス、マイク・ロッケンフェラー(アウディ・スポーツ・チーム・フェニックス)にも先行され厳しいレース展開となってしまう。
トップを走行するデュバルは14周目終わりでピットイン。ミュラーの前でピットアウトするもタイヤに熱が入らず、ミュラー、フラインスに交わされる。
22周目終わりでトップを走行するエンゲがタイヤ交換へ。ファーストスティントを伸ばすも、ウィットマンの後ろでピットアウトとなる。
アストンマーティンの2台が入り、再びトップに立ったラスト。ミュラーが1.1秒差で2番手、3番手にフラインスと続く。
24周目、ピエトロ・フィッティパルディ(アウディRS5 DTM/WRTチーム・アウディ・スポーツ)がコースアウト。このアクシデントでスローゾーン区間が設けられる。ここでウィットマンが再びタイヤ交換へ。12番手に落ちるも、ニュータイヤで逆転を狙う作戦を選択する。
残り15分、タイヤ交換を遅らせたエンゲが反撃に出る。まずはロッケンフェラーを攻略。続いてデュバルを攻めるも、巧みなディフェンスでエンゲのオーバーテイクを許さない。
トップを走るラストとミュラーとの差は残り10分を過ぎて1秒以内に。
しかし、ミュラーが射程圏内に入るとラストは再びスパート。スキのない走りを見せ、ミュラーを寄せ付けない。
41周で55分が経過し、42周目がファイナルラップに。ラストはそのままトップでチェッカーを受け、今季4勝目。2位にミュラー、3位にフラインス。デュバルは最後までエンゲを抑え4位となった。
ニュータイヤで追い上げを狙ったウィットマンは、なかなか順位を上げられず10位でレースを終えた。
「とてもハッピーだよ。ポイント差も広げることができて、完璧だ。最後に勝てたのは5レース前だったので、本当にうれしいね。最後はタイヤを管理していたけど、ほとんど機能しなかった。大変な戦いだったよ」とラスト。
2位となったミュラーは、「もしもっと速かったらレネをオーバーテイクするチャンスがあっただろう。ピットストップで時間をロスしたのは残念だ。その後、レネと差を縮めなければならず、最後にアタックすることができなかった。もちろんチャレンジしたかったけど、リスクが大きかった」と語っている。
ラストは、ポイントを206ポイントに伸ばし、ミュラーとの差を37ポイントに、そしてウィットマンとの差を59ポイントに広げている。