MotoGP第11戦オーストリアGPの予選がレッドブル・リンクで行われ、MotoGPクラスはマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)がポールポジションを獲得した。中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は6番手を獲得。最高峰クラスでの自己ベストグリッドとなり、初めて2列目から決勝レースを迎える。
フリー走行3回目は気温26度、路面温度36度のドライコンディションで行われた。初日を制したマルケスが、セッション序盤から前日に記録した自身のトップタイムを早々に更新する。
セッション残り時間10分となるころ、そのマルケスのタイムを、マーベリック・ビニャーレス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)が更新。しかしマルケスが再びそのタイムを上回る。さらに残り時間2分を迎えるころには、これまで上位に浮上せずにいたアンドレア・ドヴィツィオーゾ、ダニロ・ペトルッチのドゥカティ・チームふたりが相次いでタイムを更新した。
最終的にマルケスがトップ、ビニャーレスが2番手。ドゥカティ・チームのドヴィツィオーゾが3番手、ペトルッチが4番手に続き、5番手にはファビオ・クアルタラロ(ペトロナス・ヤマハSRT)がつけた。中上は8番手だった。
予選前に行われたフリー走行4回目でもマルケスが常にトップにつけていたが、最終盤にドヴィツィオーゾ、さらにビニャーレスがマルケスのタイムを更新。トップがビニャーレス、2番手にドヴィツィオーゾで3番手にマルケス、そして4番手にクアルタラロがつけている。5番手に続いたのはポル・エスパルガロ(レッドブル・KTM・ファクトリーレーシング)。中上は13番手だった。
■予選Q2:マルケスが59度目のポール獲得。中上は自己ベストグリッド
予選Q1は気温32度、路面温度49度のドライコンディションで行われた。Q1から予選に挑むのは、カル・クラッチロー(LCRホンダ・カストロール)やフランコ・モルビデリ(ペトロナス・ヤマハSRT)などの11名だ。
最初のアタックで、クラッチローが1分24秒389をマークしてトップに立つ。しかしそのタイムを、MotoGPクラスのルーキー、フランセスコ・バニャイア(プラマック・レーシング)が更新。バニャイアがトップ、2番手がクラッチローでセカンドアタックに入る。
セッション残り時間1分となるころ、モルビデリがクラッチローのタイムを更新して2番手に浮上。さらにバニャイアと同じくMotoGPクラスのルーキーであるミゲール・オリベイラ(KTMテック3・レーシング)がバニャイアのタイムを上回り、トップに躍り出る。
しかしチェッカーが振られた後の最後のアタックで、クラッチローが各セクターでタイムを縮めていた。クラッチローは1分23秒829を叩き出すと、見事にトップを奪還。同じく最後のアタックでタイムを更新したバニャイアが2番手につけ、クラッチローとバニャイアのふたりがQ1突破を決めた。
続いて行われた予選Q2。コンディションはQ1に引き続きドライで、気温、路面温度はやや上昇したものの大きな変化はない。
最初のアタックではマルケスが1分23秒359でトップ、2番手にはビニャーレス、3番手にクアルタラロが続いてセカンドアタックを迎える。
マルケスはここで1分23秒027を叩き出してトップをキープ。ドヴィツィオーゾ、さらにはクアルタラロがタイムを削っていくが、マルケスのタイムには届かない。
セッション残り時間1分となるころ、ペトルッチが4コーナーで転倒。ペトルッチはタイムを更新できずに12番手に沈むこととなった。
マルケスはトップを守り切り、3戦連続となるポールポジションを獲得。最高峰クラスでのポールポジション獲得記録を59に伸ばし、最多獲得数で単独首位に立った。マルケスのタイムは、これまでのオールタイムラップ・レコードを更新するタイムでもあった。
2番手にはクアルタラロ、3番手にはドヴィツィオーゾが続き、フロントロウを獲得。4番手はビニャーレスで、Q1を突破してきたバニャイアは5番手の大躍進だ。
そして、中上は6番手を獲得。自己ベストグリッドとなり、同時に最高峰クラスで初となる2列目に食い込んだ。翌日の決勝レースを、中上は最高峰クラスで初めてセカンドロウから迎えることになる。