元F1ドライバーのジョリオン・パーマーは、2019年のF1世界選手権において、これまでのところレッドブル・ホンダのスターであるマックス・フェルスタッペンが最強であると語っている。
21歳のフェルスタッペンは今季2勝を飾っており、ドライバーランキングでは181ポイントを獲得している。F1カレンダーの最初の12戦で、フェルスタッペンは5位より低い順位でフィニッシュしたことはない。
しかし、選手権で首位にあるルイス・ハミルトンは250ポイントを獲得しており、今も大きな差をつけられている。フェルスタッペンはバルテリ・ボッタスにも遅れをとっているが、ハンガリーGPでは7ポイントまで差を縮めることができた。
しかしパーマーの考えでは、今シーズンのショーで人気をさらっているのはフェルスタッペンであるという。
「フェルスタッペンは今年大きなミスをしていない唯一のドライバーだ。そしてシーズンこれまででほぼ間違いなく最強のドライバーだろう」とパーマーは『BBC Sports』のウェブサイトのコラムで述べている。
「レッドブルのマシンは、序盤のレースではフェラーリやメルセデスほど速くなかった。それでもフェルスタッペンは表彰台争いに頻繁に絡んでいたんだ」
「今ではレッドブルは一歩前進し、フェルスタッペンはメルセデスにとって常に脅威となっている」
「先週末のハンガリーでは、メルセデスとハミルトンの組み合わせが最高のパフォーマンスを見せたことで優勝を逃したが、この4戦で2度の優勝を果たしているフェルスタッペンは、絶好調のドライビングをしていることが分かる」
「6月後半のオーストリア以降、2回のフロントロウと1回のポールポジションを獲得していることで、フェルスタッペンが今や予選でも力を発揮していることが証明されている」
「そしてハンガリーで見られたフェルスタッペンとハミルトンの競り合いは、シーズン後半でも見ることができるだろうと僕は予測している」
■優勝争いに大きく貢献するようになったホンダ製パワーユニット
またパーマーは、フェルスタッペンの成功におけるホンダの役割についても強調した。ホンダにとってマクラーレンと組んでのF1復帰は波乱含みだったが、レッドブルと組んでからエンジンを提供する以上の役割を果たしている。
「レッドブルのエンジンパートナーは2019年における陰の立役者だ。レッドブルとの新たな提携において、ホンダは完全にその真価を発揮している」
「フェラーリやメルセデスと比べると、エンジンの最大のパフォーマンスはまだ下回るが、ホンダの進歩は恐ろしいほどだね」
「レッドブルは徐々に作業を始めたが、彼らが見せた進歩の度合いは、来年のメルセデスにとっては不安材料となるだろう」
「ハイブリッド時代におけるレースでの優勝と、初のポールポジション獲得は、これまでのマクラーレンとの不幸な提携で顔に泥を塗られたホンダにとって、待ち望まれた成果だ」
そしてパーマーは、フェルスタッペンだけがホンダの成功を後押ししているわけではないことも指摘している。第11戦ドイツGPでは、ダニール・クビアトが姉妹チームのトロロッソ・ホンダから表彰台フィニッシュを飾ったのだ。
一方でタイトル候補としてシーズンに臨んだはずのフェラーリについては酷評している。
「フェラーリのパフォーマンスについてはかなり低い。彼らはあらゆる面でどんどん行き詰まってきているようだ」
「よくないのはマシンだけではない、ドライバーも多すぎるミスを犯している。全体的に、フェラーリにとっては最も散々なシーズン前半のひとつだった」